英検1級って、難問奇問みたいなイメージがけっこう強いと思うんですよね。

とくに語彙問題に関してはかなり難易度が高いので悪名高いです。

それでよく言われるのが

「英検1級なんか取っても意味あるの?」

「全然実用的じゃないよね」

などです。

確かに英検1級の内容はかなりアカデミックかつ社会的であり、どちらかというと口語重視のテストではないです。

ですが、実は英語をバンバン話していく上で英検1級は意外と役立つというのがぼくの考えです。
というか、経験上、むしろ英検1級(に相当する英語力)は必要ですね。

とくに1級のライティングとスピーキングに求められる力は実際の会話でかなり役立ちます。

その理由を具体的に書いていきますが、その前に、この2つで合格できる点数は取れますか?もしくはそれに相応する力はありますか?まずはそれを考えてみましょう。



英検1級の英作文の内容

まずライティングでは、社会的な話題について200~250語の英作文を書かないといけません。

ちなみに日本語とは違い文字数ではなく語数です。

「ライティング」は日本語では6文字と数えますが、英語ではそれで1語と数えます。つまり、200~250words というのはそれなりにまとまった量になります。

普段から日本語でもしっかり物事に対する意見を持っていますか?それを発信できますか?

ちなみに内容は多岐に渡ります。例えば、言論の自由・民主主義の是非・安楽死・移民問題など様々です。

これについて論点を自分で3つ考えだし、英語で論理的に書く必要があります。

時間は限られているので、論点を考えて構成を練るところから実際に200~250wordsの文章を仕上げるまで25分前後でできる必要があります。



英検1級の面接の内容

二次試験はスピーキングのみの面接となり、その面接は簡単な自由会話・即興で2分間スピーチ・質疑応答の3つで構成されています。

スピーチは1分間与えられ、その中で5つのトピックから1つ選び頭のなかで少し構成を練りますが、準備時間はほぼないに等しいので、即興でまとまった意見を英語で述べる力が必要になります。

その後の質疑応答では、スピーチの内容に関する質問や反論、その他関連する分野の質問に答えます。

もちろん二次試験のスピーチ&質疑応答の内容は英作文と同様、社会的な話題です。

例えば、化石燃料は枯渇するか?日本の大学教育システムは改編すべきか?などなど。

日本人は議論が苦手です。考えをあまり口に出せないような教育を受けてきたからです。この二次試験の内容を日本語でまったく同じように行っても7~8割の人は不合格になると思います。

それを英語でできる必要があるのが二次試験です。


英語話者との会話は意外とこんなのばっか

ぼくの経験上ですが、英語話者の友達がいると、意外と英検1級のライティングやスピーキングの内容はけっこう会話にあがってきます。

もちろん初対面でこういう話をすることは珍しいと思いますが、親しくなったらこういった話をする人が多いです。

その日に4~5時間ほど一緒に行動していれば、ほぼ間違いなく1回か2回は1級のライティングやスピーキングに出てくるような会話になります。

例えば、人種や差別の話なんかは飽きるぐらい話題に上がったことがありますし、この間ビアガーデンでお酒を一緒に飲んでいるときは、スポーツの起源、公平さ、中絶、こんな話もけっこうしました。

もちろんぼくが話を振っているのではなくて、自然とこうなります。

外国の人はニュースはけっこうチェックしているみたいで、時事的な議論をするのが大好きです。

例えば、日本人のぼくたちなら、今起こっている出来事、アメフト問題やボクシングの不正などといったスポーツ倫理、東京医科大学の入試での女性差別などといったことについてまとまった意見を持っておき、それらについて英語で話せる必要があります。

もちろんこれはなかなか難しいんですけどね。

あとはまとまった量でダラダラ話すのも英会話では大事だと思います。

英語話者の人は話し出したら長いです。

「よくこんなにベラベラと一人で話せるな~、しかも周りのことまったく気にしてない!」

と初めはよく思っていたものです。笑

ここが日本人との違いで、日本人は周りの様子を常に伺いながら話します。一人でベラベラと話すのはご法度。そんな文化です。というかそもそも意見を持ってないのでダラダラと話せる話題もありません。

ですが、英語を話すときはべつです。

When in Rome, do as the Romans do. 

という諺があるように、英語を話すときは英語ルールです。

周りなんか気にせずに自己中になり、英語話者のように思ったことを時間をかけてダラダラと話せば良いのです。

そこで、少し難しい話題になっても、だらだらとなが~く話し続けるには、英検1級の二次試験を突破できる力があれば役立つんですね。

あの2分間スピーチのような感覚で話せばいいのです。本当に2分ぐらい一人でだらだら話してしまっても問題ないと思います。

英語圏ってそういうコミュニケーション文化なので。

ただし、それができるには英検1級、もしくは合格できるレベルが最低限必要だと思うんですよね。

もちろん1級に受かったら簡単に出来るようになるというわけではないですが、受からないのであれば100%それはできませんよね。

まあつまり、ライティングやスピーキングを通して意外と実践的な力がつくということです。


この記事のまとめ

マニアックな問題ばかりのイメージや評判が付きまとう英検1級ですが、ライティングやスピーキングなどは意外なほど実用的だと自分の経験から感じます。

とくに、2分間個人プレーでだらだらと話す力をつけられる面接のスピーチなんかは、かなり実践的なんではないでしょうか?

外国の人と親しくなれば、社会的な話題は意外なほど会話にあがりますからね。

彼らは議論好きなんですよ。

議論と聞くと日本人的にはマイナスな響きに聞こえるかもしれませんが、議論とは積極的な意見交換のこと。大事なコミュニケーションです。

普段から考えや意見を持つ習慣、それをまとまった量の英語で発信する力は、英語を通して人と関わりたいなら必須なのではないでしょうか。

これって英検1級のアウトプット技能に通じる部分があると思います。



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