ようやく出ました。スピーキングのための英文法。こういった本が書かれているという情報は少し前から得ていたので、楽しみにしながら待っていました。

この本の特徴をざっくりとまとめると以下の4つになります。

・充分な文法説明
・豊富な数の質の良い例文
・スピーキング特訓のための本
・英語と日本語の言語/文化の違いもカバー

で、肝心の中身ですが、文句なしの1冊になってます。

英会話の初級~中級レベルの人には全力でオススメします。というわけで、もう少しだけ具体的に紹介していきますね。


・充分な文法説明

この本は中1~高1英語の文法事項が順番通りにすべてカバーされています。ここまでの文法を使いこなせるとスピーキングはかなり楽になります。

文法説明には無駄がなくわかりやすいので、独学で取り組むことができます。文法を理解した上で、たくさんの例文のスピーキングのトレーニングを通して、使える形で英語をインプットしていきます。

文法理解は大事で、文法を理解していないまま会話の表現週などを暗記しても、応用が利かずに暗記頼りになってしまいます。


・充分な数の質の良い例文

前作の完全マスター英文法(中上級~上級者向け)と同じく、「スピーキングのための英文法」にも例文がたくさんあり、どれも質が高くて自然です。

文法の学習順序に合わせて単語レベルも調整されているのにも関わらず、どれもそのまま会話で使える状況は多いだろうという自然な文ばかり。

例えば、一番初めのBe動詞の単元には難しい単語はいっさいありません。それでもその単元1つに自然な例文が40~70個もあるのです。

「これいつ使うんだ?」みたいな変な英文が市販の参考書にはけっこうあったりしますが、そういうのがまったくないんです。

これらの例文を即座に言えるようにすることで使える英語が増えていくということです。あとは自分で単語帳も並行して行うとより良いです。


・スピーキング特訓のための本

この本のコンセプトは、

①文法事項の理解
②文法理解を前提に豊富な数の良質な例文を使える形でインプット
③それを日本語(和訳ではなく状況を示していると考える)から即座に英語で言うトレーニング

こういうものだと自分は理解していますし、実際そうでしょう。それに加えて、必要なところで英語と日本語の言語/文化的な側面の違い(例えば、日本語の夕方と英語のevening の違い等)も補足という感じですね。

この本のコンセプトですが、ぼくはこれが英語習得において一番理にかなっていると思います。英語習得はシンプルです。 

③の部分はいわゆる瞬間英作文なのですが、和文英訳というよりも、日本語は状況を提示していると考えて、そういう状況だったら英語ではこう言う!といったことを瞬間的にするトレーニングです。

実際の会話って③の連続なんですよね。自分の今いる状況や目の前の事に合わせて瞬間的に言葉を発します。それの無意識の連続が会話です。

③を行うトレーニングは、実際の会話を除くと、それが一番リアルな擬似的な会話トレーニングになるというわけです。


・英語と日本語の違いをカバー

言語/文化的な側面から日本語と英語の違いもカバーされています。これも英会話においては重要なんです。

例えば、日本語での「すみません」は「ありがとう」を意味したりと、使われ方の幅が広いのですよね。だからといって、英語でいつも"I'm sorry." と言っていると、おかしくなってしまうわけです。

何かを貰ったりしたら、Im sorry. ではなく Thank you. ですね。

こういう英語と日本語の違いを知らずに会話をしていると、自然なコミュニケーションが取りにくくなってしまうこともあるので、そういった部分もカバーする必要があります。


まとめ

以上の4つの理由で、「スピーキングのための英文法」はかなりオススメです。これだけの英語を使いこなせたら、会話はぐっと楽になるでしょう。

TOEICで高得点を取っているような人でも会話となるとシンプルな英文法すら使いこなせない人も案外多いので、多くの人が簡単だと思っている中1~高1の英文法は意外と侮れません。

ちなみに、無料で例文と日本語が一覧になってまとめてトレーニングしやすくなっているものも無料でダウンロードできるので、印刷するとかなり使いやすいです。かなりの量(word文書110枚ぐらい?)ですが。。笑

他にもスピーチのトピックもダウンロードできるので、即興スピーチも並行して練習すると英語のスピーキングを効率よく伸ばすことができますよ。

オススメなのは、中3まで一気に一通り仕上げて、そこからスピーチも始める。という感じです。