今回は英語の発音を独学で身につける方法と発音に関して知っておきたいコツや、英語の発声において意識すべきことについての全てを詳しくまとめていきます。
発音の記事を書いていながら自分の発音を載せない記事は信憑性がゼロなので、この記事では随所で解説とともに自分の発音の音声をいくつか載せています。
まず始めに、英語の発音を理解して、自分でも正しく発音できることはとても大事です。
発音についてまったく知らない/できないのと、きちんと仕組みを理解して自分でも発音できるのとでは、リスニングはもちろんスピーキングでも大きな差があります。
言語の成り立ちは音が基本で、文字は音を記録するために後から生まれたもの。言語の音はつまり発音なので発音は重要です。しかし以下のような意見をよく見聞きします。
・それぞれの国に訛りがあるから、日本人だって日本人特有の訛りがあって当然。
・発音なんかよりも話す内容のほうがずっと大事。
もちろんこれらの意見は理解できるし、自分も概ね同意です。
ただし、だからと言って開き直って、正しく伝わりやすい発音をしようとする努力を諦めてしまうのはどうかと思います。
完全なカタカナ発音は控えめに言っても理解されにくいです。つまり、それだけで聞き手に大きな負担をかけているんです。
理解できないあなたが悪いんですよ~!だから頑張って理解してね!こっちはこの訛りのまま話すね!というのは、少し思いやりに欠けると思います。
せっかく話す内容が素晴らしくても、相手に負担をかけてしまうと、伝わるものもうまく伝わりにくいしもったいないですよね。
英語ネイティブのような完璧な発音は難しいしできる必要はありませんが、最低限正しい伝わりやすい発音は不可欠です。
まあ、発音の習得に関してはあまり色々と考えすぎる必要はなく、英語の発音が上手だとなんかかっこいいし発音を身につけたい!というような動機で十分だと思います。
完璧とは言わなくても、正しい伝わりやすい発音をするだけなら、日本人の多くが思っているよりも簡単なのではないでしょうか?
前置きが長くなってしまいましたが、今から英語発音の習得についてすべての知識を共有していきます。
【目次】
1. 個々の音の仕組みを理解
2. 発音の練習方法
3. 何英語を話したい?
4. ロールモデルを見つけよう!
5. 発音のコツ&意識すること
6. 練習におすすめの素材
1. 個々の音の仕組みを理解
まず大前提として、発音を身につけるには発音について個々の音の仕組みを理解しておかなければいけません。
それぞれの音を理解せずに、聞いたものをただ真似るだけでは効率が悪いですし、いつのまにか間違った自己流の発音が身についてしまう可能性があります。
いきなり真似して練習しようとする前に、まずは発音について理解した上でたくさん聴きましょう。「理解→反復」は発音に限らず学習の基本です。
さて、個々の音の理解というと果てしなく感じてしまうかもしれませんが、優先的に理解すべきものを絞り混むと、そんなに多くはありません。
英語の音は母音と子音の2つに分かれます。
母音は日本語でも存在しているので理解しやすいです。そのため簡単だと思い意外と見落としがちなポイントですが、実は母音が英語の音の伸びやリズムを作ります。
つまり、母音は意識するだけで一気に英語らしくなる大事な要素です。
そして子音は、日本語のローマ字(ka, ki, ta, ho等)から母音を取ってしまったときの音。つまり、すべての音に母音をつけてしまう癖さえ無くしてしまえば、ほとんどの子音は発音できます。
ということは、子音に関しては実はほとんどがもともと発音できるため、明らかに英語にしか存在しない子音を優先的に理解すればよく、それはそこまで多くはありません。
では今から母音と、明らかに英語にしかない子音をそれぞれ見ていきましょう。
(1)母音
母音とは日本語でいう(あ・い・う・え・お)に当たる音です。
それらの組み合わせの二重母音(あい・おう等)や三重母音(あうあ)、長母音(いー、うー等)もあります。
いくつかの子音に比べて特に音の出し方が特殊なわけでもないので見落としがちな母音ですが、母音が単語の音の広がりや文のリズムを作っています。つまり、母音は英語が英語らしく聞こえるうえでかなり大事です。
例えば、超母音(いー、おー等)は、日本人の多くが音を伸ばしきれていません。日本語では音を1つひとつぶつ切りにしながら「タタタッ」というような感じで話す人が多いので、普段から音を伸ばしきれていないんです。
例えば、I read books. と読むとき、read は「りー」としっかり伸ばすのですが、日本人は「あいりどぶっくす」のように聞こえるケースが少なくありません。
read が rid、leave がlive に近い発音になってしまうというわけです。
母音に関しては、音の性質や出し方を理解して、ゆっくりと丁寧に発音しきるようにすることであっという間に改善します。
このことについては、この記事内の意識すること&コツのところで詳しく触れていきます。
(2)日本語にない子音
厳密に言えば英語には日本語と違う子音は少なくないですか、似た音が存在する場合が多いです(例えばLとラ行)。
なので、明らかに近い音が存在しないものだけを先に集中して理解して出来るようになるだけで、一気に英語らしく伝わる発音になります。
明らかに日本語に存在しない英語特有の子音は意外と多くありません。以下のたった4つだけです。
R, F, V, TH
しかも実はFとVはペアのようなもの。実はTHも親戚のようなものなので、大雑把に言うと、
R と F/V/TH
の2つの括りだけです。この記事内ですべて仕組みは理解できると思います。
Rに関しては巻き舌とか舌を引きながらとか色々と言われますが、実際は超シンプルです。舌をどこにもつけずに(浮かしたまま)ら行を喉のほうから声を出しながら言うだけ。そのときの音がRです。
FとVはどちらも上の前歯を下唇に軽く当ててみてください。上の歯と下唇をつけたままその間から息を出します。その息だけの音がF。それに声をつけるとV。そのとき唇が振動してたらVは出来ています。
TH はFとVにそっくりの音です。先程の「上の前歯と下唇」の下唇の代わりに舌にしてあげるだけ。つまり、THは上の前歯と舌の間からの息だけの音(think 等のth)と声つき(that等)の二種類。FとVとほとんど同じです。
けっこうシンプルで簡単じゃないですか?これらの子音を抑えておくだけで、かなり英語らしく伝わる発音になります。
(3)発音の本を1つ選ぶ
この記事では発音の練習方法やコツなどをメインで紹介するのが目的なので、発音のそれぞれすべての音はカバーしきれません。
まず大前提として、発音に関する本を1冊選びましょう。当たり前のことですが、発音は数も仕組みも決まっているので、単語帳や問題集とは違い、誰が書いていようが基本的には内容には大差がありません。
なので、英語の音声さえついていることが確認できれば、後は説明のわかりやすさやレイアウトの見やすさ、自分の好みの基準で選んで問題ないでしょう。
ぼくの知る限りでは、おそらくこれが英語学習者の間で一番人気のロングセラーの発音本。
英語耳に関してはぼくは使ったことはないのですが、どれにすればいいかわからない人はとりあえずこれが無難だと思います。
アメリカ英語ではなく、初めからイギリス英語の発音を身につけたいという人は、発音本ではこれが一番オススメです。
こちらは実際にぼくも使ったもので、何度も繰り返して練習しました。イギリス英語の発音本に関してはこれさえあれば大丈夫。
説明もわかりやすく音声も豊富なので、初心者でも取り組みやすく練習がしやすいです。
2. 発音の練習方法
ここからが発音を身につけるための練習方法になります。
基本は、仕組みの理解→聞く→真似(リピート)。これらを何度も繰り返しましょう。
仕組みを理解せずリピートするだけでは、それが合っているのかどうか自分でもわかりません。
間違った発音や癖がつかないためにも、仕組みの理解が大前提。そこから何度も音声を真似て繰り返します。音声にいかに自分の声を近づけるかを意識するのが大事です。
ではここからは発音の練習方法を紹介します。
(1)リピート
仕組みを理解して終わるのではなく、自分もできるように練習しなければ出来るようにはなりません。
自分の選んだ発音本の音声をそのまま練習素材として使いましょう。
物真似だと思い、役になりきって、そっくりそのまま完全にコピーしようという気で真似します。
これを毎日の日課にしてください。1日20分で構いません。とにかく継続することで必ず発音は上達します。毎日続ければ1ヶ月あればかなり効果が実感できるはずです。
とにかく聞いて真似る(実際に声に出す)ことが一番大事です。スポーツと同じで、ルールを理解しているだけでは出きるようにはなりません。実際にプレイする(声に出す)ことが不可欠です。
(2)シャドーイング
リピートは、聞いた英語をそのままそっくり真似して声に出すことですが、シャドーイングは、音声を聞きながら音声とほぼ同時にそっくり発声する、いわば英語のカラオケのようなものです。
音声にぴったりはめて自分でも発音していくのはまさにカラオケ。シャドーイングをしていれば単語の発音はもちろん、文全体の抑揚やリズムも自然と身につきます。
リピートだけでなく、シャドーイングまで持っていくことで発音は必ず上達します。
発音本でリピートしているものを今度はシャドーイングしましょう。
発音の仕組みが理解できて音も出せるようになった場合は、発音の本に拘らずに、音声とスクリプトのあるものなら何でも好きなものをシャドーイング素材として使います!
実はシャドーイングは、発音だけでなく英語の4技能の基礎力を高めることのできる学習方法で、ぼく自身7年間シャドーイングを続けています。
関連記事:シャドーイングのやり方と効果のまとめ
シャドーイングについてはそちらに詳しくまとめているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
(3) 音読(たまに録音)
優先度はリピートやシャドーイングより低く必須ではないですが、音読ももちろん発音向上に効果的です。
ただし、音声を聞かずに自分で音読すると自己流の変な癖がついてしまう可能性もあるので、音読をする場合はもちろん発音を理解していることが前提になります。
なるべく音声が聞けるものを音読素材として、それをモデルとして自分で再現できるように音読練習するとすごく良いです。
シャドーイング教材と分ける必要はないので、シャドーイング教材をそのまま今度は音声なしで音読してみるのが手軽でおすすめ。
また、たまに録音することで自分の発音を客観的にチェックすることができます。
録音して聞いてみると、自分では出来ているつもりでもうまく出来ていないところや、思いがけない弱い部分が見つかると思います。
その苦手な発音を集中して練習して修正していくことで、理想の発音に近づけることができます。
毎回録音するのは精神的にしんどいときもあるので、週に1回、もしくは月に1回など、定期的にチェックすると良いですよ。数日では変化は見えづらいですが、週単位や月単位だと変化を感じられるはず。
ちなみに録音はスマホにもともとついてる録音機能でもいいし、動画で音だけ撮るのもいいです。
これは実際にぼくが洋書の音読を録音してみたものです。
🍊Ken@ken_eigo
洋書を朗読してみた📖🎤
2018/11/21 11:56:17
やっぱ文字だけを読むのは難しいし自分の苦手なところも見えてくるね~。たまに録音しよう(>_<) https://t.co/sOYgEwkqO3
録音を聞いてみると苦手な発音やスムーズに言えていないところまでよくわかります。ぼくもいくつか苦手な発音はありますし、未だに自分の英語を聞くのは気持ち悪いです(笑)
(4)おすすめ発音練習メニュー
1. その日やる発音事項の理解
2. 注意して一通り音声を聴く
3. 音声をリピート(3~5回)
4. 本を見ながら音声のシャドーイング(3~5回)
5. 何もみずにシャドーイング(できるまで)
6. 最後の締めとして、リピート&見ながらシャドーイングそれぞれ1回ずつ
一度でやる発音事項の量によってもちろん時間は変わりますが、この手順1~6で20分前後になると思います。
朝昼夜1回ずつ(1日に計3回)できるのが理想ですが、仕事や学業で忙しい人も多いと思います。そういう場合は、1日に1回で良いのでこれを毎日の習慣にしましょう。
どんなに忙しい人でも1日に20~30分は確保できます。発音の練習を今までしたことがなかった人がこれを1ヶ月続ければ、発音は劇的に良くなります。
この手順を毎日繰り返して発音本を一通り終えましょう。一通り終えてからも何周かして使い倒すと良いので、1ヶ月は本をしっかりやり込んでください。
その後はいったん発音本を離れて(または補助的に使い)、音声のある英文で好きなものをどんどん自由に選んでシャドーイングしていくだけです。発音・イントネーションは自然と良くなるのはもちろん、英語力全般に効果ありです。
(5)Look up&Repeat
(5)Look up&Repeat
このように、1文を音読した後に、顔をあげて英文を見ないようにして(もしくはシートなどで英文を隠して)、英文を自力で再生します。🍊Ken@ken_eigo
澤田先生(@kenjordan55)とRikaさん(@englishcafe225)の尊敬するお二人が紹介されていた練習法をやってみました!
2019/06/29 13:18:55
一人でできる英会話の練習法としてはかなりオススメです。状況がイメージしやすい日常会話の… https://t.co/HYjGXksGFW
Twitterでシェアされていた方法なのですが、これが英会話の練習だけでなく発音練習にも良いと思い、おまけとして紹介しました。
状況を頭にイメージしながら英語を発するのは実際の会話と同じプロセスなので、スピーキングの良い練習になります。
また、実際の会話ではもちろん文字を読みながら発音はできません。なので、文字に頼らずに普段の会話のような状況で正しく発音する練習にもなります。
これを少し応用して、音声も活用するとより良いと思います。
・1文を目で見ながらシャドーイング→音声を止めて文字を見ながらリピート→英文を見ずにリピート
・音声を聞く→音声を止めて英文を見ながらリピート→英文を隠してリピート
のように、それぞれが自分に合うやり方を工夫するのも楽しそうですね。これずっとやってると発音かなり良くなるはずです。
余裕があれば、シャドーイングの次のステップとして練習メニューに取り入れてみると良さそうです。
素材はシャドーイングと同じもので大丈夫です。
3. 話したいのは何英語?
日本語にも標準語や関西弁など色々な方言があるように、英語にも色んな種類があります。国や地域で話される英語の雰囲気はかなり違います。
先程載せていた音声で気づく人もいるかもしれませんが、ぼくの場合は自分の発音はイギリス英語をモデルにしています。ちなみに日本語では伊予弁という方言を話します(笑)
どの種類の英語でもいいので、自分が話したいと思う英語を1つ選びましょう。選んだら、これから何度もリピートやシャドーイングするのは基本的にその英語のみ。
英語学習者にとって王道なのは、アメリカ英語とイギリス英語です。
よほどオーストラリア英語が良いとか、ニュージーランド英語が良いという強い拘りがない限りは、アメリカ英語かイギリス英語にするのが無難です。
その理由は、それら2つ(特に日本ではアメリカ英語)の音声が使われている学習教材が圧倒的に多く、日本にいても独学で身につけやすいからです。
オーストラリア英語やニュージーランド英語は教材もほとんど存在しないので、そのぶんハードルが高くなります。
映画や音楽など文化的な影響力が高いのはアメリカ英語で、日本の英語教育や市販教材でもほとんどがアメリカ英語。
TOEICや英検を視野に入れると、アメリカ英語のほうが有利ではあります。
それに対してイギリス英語は、アメリカ英語ほど文化的な影響力はないかもしれませんが、やはり英語の標準語のような存在で、世界的にも正統な英語とされています。
英語教育においてヨーロッパのほとんどの国がイギリス英語をお手本にしていますし、オーストラリアやニュージーランド英語もイギリス英語からの派生なので共通点が多いです。
また、アメリカ英語ほど教材が多くないぶん、1つひとつの教材が丁寧に書かれている印象です。
そして何より、BBC Learning English という英語学習者にとって最高の無料英語学習サイトがあるのですが、BBCが運営しているためそれがイギリス英語なのは大きいです。
自分はイギリス英語よりに意見が偏っているかもしれませんが、洗練された印象を与えたいのであればやはり王道のイギリス発音が間違いないと思います。
まあ、どんな種類の英語をモデルにするとしてもそれは個人の好みの問題です。とにかく自分が身につけたい種類の発音を決めましょう!
4. ロールモデルを見つける
話したい種類の英語を選ぶのが大事で、1つ選べばその英語の色んな話者の音声を真似したりシャドーイングするだけで良いですが、さらにその中から「こんな人みたいに話したい」と思えるロールモデルを見つけるとなお良いです。
そういった人を1~3人ほど見つけて、その人の発音やイントネーションを意識すると、だんだんその人のような話し方に近づきます。
それは好きな俳優でも良いし、YouTuberでも良いし、身近の人でも構いません。
ぼくはイギリス英語の音声であれば、話者を選り好みせず何でもシャドーイングしますが、その中でも特に3人ロールモデルにしている人がいます。
つい先日、ぼくが発音のロールモデルとしている人のPodcast をスピーカーから流していたとき、その人の話す英語がぼくの英語に似ていると彼女に言われて少し嬉しかったです。
5. 発音のコツと意識すること
英語と日本語は発音だけでなく、音程やリズムも違います。その違いを生む大きな要因が、英語と日本語の発声の違いです。
発音以前に、英語と日本語では根本的に声の質が違います。以下のことを意識するだけでも英語らしい発音になります。
(1)発音は喉から
日本語は口先で話す言語で、喉をあまり使いません。特に標準語ほどその傾向が強いようです。
英語は発声の位置が日本語よりも低い位置にあり、喉を使って発音します。
低い位置というよりは、奥の方って言ったほうがわかりやすいかもしれません。
(2)声を落とす
喉の発音というのがイメージしにくい人は、英語を話すときは声を日本語より少し低めにすると良いでしょう。
必ずしも英語話者はみんな声が低いというわけではないですが、仕組み上英語よりも日本語のほうがピッチが高い言語のは間違いないです。
日本語のときより声を少し低くするようにします。
とは言っても、わざとらしく声を低くする必要はありません。逆に、声を甲高くしないようにすればいいと思います。
(3)リラックス
実はこれが一番大事で、喉からの発音、声を低く、というのが難しい人は、そういうことは考えずに全身の力を抜いてだら~んと話してみると良いです。
ソファーの上でゴロゴロしながら「めんどくさ~」「リモコンとって~」と言ってみましょう。
そのときの声を覚えておいて、英語を発音するときに適応させてみてください。
それだけでリラックスした発声になり英語の聞こえ方に一気に近づきます。
(4)音程を徐々に落とす
🍊Ken@ken_eigo
📢英語を話すときの発声
2019/06/22 12:10:25
①文の途中で息を切らさない(なるべく一息で一文を)
②基本は文の最初から最後にかけて音程が落ちる(①をすると自然と落ちていく)
③長い文を喋るほど最初に大きく息継ぎ
特に🇬🇧 RPは②の高低差が激しい気… https://t.co/FMwQQwS4XF
基本的に英語の肯定文は、文の初めから最後にかけて音程がすーっと落ちていきます。
最初に高めの音程から入って、力を抜けば音は自然と落ちていきます。
日本語は音程は平坦で、むしろ語尾が高くなることも多いです。そのまま同じように英語を話すのではなく、力を抜きながら話しましょう。そうすると自然と音程が文末に近づくに連れて下がっていきます。
コツは、話す前に日本語のときよりも息を大きく吸い、息を途切れさせず一息で一文を話すだけ。
そうすると、話すときに息は勝手に吐き出されていきますよね。あとは息を出すにつれて発声すれば何もしなくても自然に音程は落ちます。
英語は日本語よりも息を大きく使う言語です。
(5)音節が一番大事
リラックスして発声すると英語らしい音に近づきますが、何よりも大事なのは音節です。
極端な話、音節さえ正しく話せれば、英語らしい声かどうかはさほど重要ではなく、多少発音がおかしくても英語は通じます(笑)
日本語は、一文字につき音節は1つです。つまり、平仮名での文字数がそのまま音節数です。
例えば、「台所」は「だ/い/ど/こ/ろ」の5音節です。たった一語に5音節もあるので、「タタタタタッ」のように細切れに速く発音することになります。
この音節の仕組みが原因で、日本語はぶつ切りの早い発音の言語です。このまま英語を話してもほとんど通じません。
Actually という単語を究極のカタカナ英語で読むと「ア/ク/チュ/ア/リー」の5音節。先ほどのように「タタタタタッ」と聞こえてしまいます。
実際は、actually はac/tu/al/ly の4音節です。カジュアルな発音でac/tu/ly の3音節になることもあります。
そして、英語ではそれぞれの音節をゆっくり丁寧に発音します。日本語ほど速くタタタッと発音しなくていいんです。
Elephant を「え/れ/ふぁ/ん/と」とタタタタタッと言うのではなく、e le phant と発音する。極端に言うと、(えーれーふぁん)のように言ったほうがまだ通じやすいです。もちろんここまで大袈裟にはしませんけどね。笑
英語と日本語での単語の音節の違いを理解して、英語ではそれぞれの音節を慌てることなくゆっくり丁寧に読むだけで一気に伝わるようになりますよ。
(6)ゆっくり丁寧に
先ほど音節で説明したとおり、日本語のよう早口で話さなくて良いので、丁寧にゆっくり話しましょう。音に幅を持たせる感じです。
英語を外国人のようにペラペラ速く話せることに憧れる人も多いですが、高速で話すよりはゆっくりと話すほうが発音が崩れずに英語らしく話せます。
どういうことかと言うと、先ほど音節のところで説明したことに繋がります。
日本人が英語を早口で喋ってしまうと、どうしても日本語の音節の癖が出てきてしまい、タタタタタッと細切れのような音になります。
また、英語の母音は、いくつかの単母音(米語での apple のa やhot のo 等)はもちろん、二重母音や三重母音、長母音などもあり、それらが音の広がりや幅を作る要素です。
英語ノンネイティブ、特に母語である日本語の音節や音の広がり方が英語のそれとは面白いほど違うぼくたちの場合、早口で喋ってしまうと母音が伸ばしきれずに音に英語らしい広がりが出ません。
日本人の早口英語は余計に聞き取りにくいと考えましょう。思っているスピードの半分ぐらいでいいです。
英語を話すときは、1つひとつの音節を大事に、母音に幅を持たせてあげることが重要。そのためにも、英語は自分が思っているほどゆっくり話すほうが良いです。
英語はゆっくり丁寧に。
(7)恥ずかしがらない
学校で英語を音読するときに恥ずかしがってわざとカタカタ読みをした経験はありませんか?
英語を身につけたいならその考えはバッサリ切り捨てましょう。あの風潮は何なのでしょうね。
英語を英語らしく発音することは何も恥ずかしいことではないですし、むしろかっこよくないですか?
くだらない恥は捨てて、英語話者になりきって堂々と発音するようにしましょう。
自分で自分を抑えていてはいけません。
(8) 英語の発声を身につける本
英語の発声で発音すると、それだけで一気に伝わりやすく英語らしく聞こえます。
この本1冊を読んで練習すれば、この記事で書いているようなことは具体的に実践できるようになります。
著者の方の英語はピカイチなのですが、その方がYouTubeで本のレッスンをそれぞれ動画で捕捉してくれているので、わかりやすいし練習もしやすいので、すごくおすすめ。
英語の発音というと、発音の仕組みだけに目が行きがちで、なぜか発声は見落とされがちです。実は発声も英語の発音においてかなり大事な要素です。
6. 発音練習におすすめの素材
発音本を1冊終えて発音を理解している前提で、その後のシャドーイングや音読に使える素材を紹介します。
正直、音声があってスクリプトが見れるものなら何でも好きなものでOKです。
まず初心者にオススメなのは、このシリーズ。
今では完全にイギリス英語に落ち着きましたが、結果としてこの本から入ったのはかなり良かったです。
このシリーズの各レベルを超入門から始めるのはオススメ!
または、英検の文単シリーズなんかも良いと思います。
級によって自分の英語レベルにあったものを細かく選べるし、シャドーイングや音読に使える文章をかなり多く確保できます。
関連記事:7年間シャドーイングを続けているぼくが本当にオススメできるシャドーイング教材を厳選!
関連記事:7年間シャドーイングを続けているぼくが本当にオススメできるシャドーイング教材を厳選!
こちらではシャドーイングに向いている素材をアメリカ英語とイギリス英語に分けてそれぞれかなり厳選しました。
次に、イギリス英語の発音を身につけたい人は、こちらの関連記事で紹介しているものを好きなだけ漁ってみると良いと思います。
次に、イギリス英語の発音を身につけたい人は、こちらの関連記事で紹介しているものを好きなだけ漁ってみると良いと思います。
2つめの関連記事内で紹介しているイギリス英語教材はぼくがすべて何周もシャドーイングし倒したものです。
イギリス英語シャドーイングはこれだけの数をこなしました。執念ですね(笑)
そして最後に、アメリカ英語イギリス英語問わず、オーディオブックを使うのはかなりオススメです!
オーディオブックは文字通り、本の音声版のことです。
自分の好きな本を音声を聞きながら読んで、シャドーイングや音読に使って発音練習をできます。英語学習がかなり楽しくなります。
洋書には英語学習者向けにレベルを調整して書かれているものもあり、そういったものの音声を利用することもできます。
オーディオブックを練習素材として使いたい場合は、Amazon のオーディブルというサービスがオススメです。
ぼくは、今のところは英語学習者向けに書かれた本(初級・中級向けそれぞれ1冊)とパディントンの3冊を紙の本と音声を利用してシャドーイングしました。
ちなみに先程のぼくの音読音声は、Audible の音声を再現しながら洋書を読んでみたものです。
このように、実際に持っている一度読んだことのある本の音声を手に入れたら、一度読んでしまった本がシャドーイング&音読教材に早変わり。発音練習の素材として再利用することができます。
7. この記事のまとめ
英語の発音の仕組みを理解した上で、英語をたくさん聞き実際に声に出してリピート&シャドーイングすることが大事。
仕組みの理解→リピート&シャドーイングで反復→音読(たまに録音)を何度も繰り返す。
話したい英語を1つ決め、それのみに集中。ロールモデルの英語スピーカーが1~3人見つかるとなお良し。
英語は力を抜きリラックスして発音することと、音節を丁寧に発音することが大事。それを意識するだけで一気に伝わるようになる。
発音本を1冊終えたら、あとは自分のレベルに合った好きなものを片っ端からどんどん使い倒してシャドーイング&音読をしていく。
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