今回は「英語を読むこと」についてです。
このブログは英語ブログという大きな括りではあるものの、いちおう英会話ブログというカテゴリに属しているので、普段は英会話に関する勉強法の内容が多いです。
しかし今回は珍しく、読解力を高める方法について書いていきます。
なぜなら、英語を読む力をつけることも話す力と同様に重要だからです。英語を読む(インプットする)ことによって、自分が使える表現の幅も広がります。逆に読むのを怠っていると、会話やライティングでの引き出しも増えずに頭打ちに。
というわけで、この記事では読解についてぼくなりに丁寧に書いていきます。
記事タイトルには「大学受験」と書いていますが、英検やTOEICを含む資格試験全般でもまったく同じです。
ちなみに、ぼくは英検一級のPart1(語彙選択問題)を除けば長文読解問題は満点で合格しています。
決して後ろの英作文の時間を削ったわけではなく、むしろ英作文にはかなり時間の余裕をもって取りかかれたので、英作文も30/32とまあまあ高得点が取れました。
なんか速読みするすごいテクニックでもあるの?とか思う方もいるかもしれませんが、テクニックに頼らずとも読解力は上がり長文も読めるようになります。
この記事の通りにやれば少なくとも英検準1レベルの長文問題程度であれば楽に対応できるようになるはずです。
ということで、以下について詳しく説明していきます!
1. 読解力を高めるための大前提
2. 語彙力を増やしまくれ
3. 易しい文章をたくさん読もう!
4. 一定量インプットの仕組み作り
5. シャドーイングをしよう!
6. 英検の読解問題がおすすめ
7. テクニックに頼るのはやめる
1. 読解力を高める大前提
文法理解と単語力がなければ、英文をいくら読もうにも意味が取れません。
中学英語の文法で実はよくわかってないところが残ったまま、語彙力にも自信はないけど、とりあえず読解問題を解きまくる。というのは超非効率なのでオススメしません。
英語が苦手な人に多いのは「自分は長文が苦手」と思い込んでいることです。それを克服するために長文の問題集を買っては解いてみるけど、難しくて挫折。。というのが多いのではないでしょうか?
ぼくが受験生だった頃、英語が苦手で読解問題ばかりしていた友人を思い出します。
実は、そういった人たちは、そもそも単語を圧倒的に知らなさすぎる、文法もあやふやなままというのが相場決まっています。
その状態での読解問題は効率があまりにも悪すぎる。いくら読んでも基礎がなければ読めるようにはなりませんし、時間と労力が無駄になるだけ。
まずは単語力を英検2級レベル(センター英語レベル)まで到達させること、高校英語の文法の基礎を身につけることを最優先にしましょう。
2. 語彙力を増やしまくれ!
読解力を効率的に上げるのに一番手っ取り早いのは、語彙力を増やすことです。
長文を読んでいて内容を理解するのが難しいと感じるときは、ほとんどの場合は知らない単語の数が一定の割合を越えてしまっている場合がほとんどです。
単語力に関しては、だいたいのある語彙数に達するまでは、増えれば増えるほど簡単に読解に効果が表れます。
目安としては、1万語に達するまでは、2000語単位で読解力に大きな変化が出るのではと思っています。
2000語
中学英語なら苦がなく読める
4000語
センター試験がけっこう楽に読める
6000語
センター試験中にわからない単語はない
大学受験の二次試験に対応できる
8000語
超難関私立大学の長文が理解できる
英検準1級の長文もスラスラ読める
10,000語
英検1級の長文が大まかに理解できる
個人の体感的に、おそらく語彙力を2000で区切ると以上のようになるでしょう。これは多くの人が同意するのではないでしょうか?
大学受験に向けて英語の読解力を高めたい人は4000~5000語、英語が得意な人なら6000語を目指すのが良いと思います。
重複なしで単語を学ぶには究極の英単語シリーズもしくは英検の単語帳を使うのが良いです。
3. 易しい文章をたくさん読もう!
これは英語の読解が苦手な多くの人が疎かにしがちなのですが、実は易しい文章をたくさん読むことで、読解力だけでなく英語力全般が高まります。
特に長文が苦手なのであれば、必ず易しい文章をたくさん読むべき!
易しい文章をたくさん読むべき理由は、英語を英語の語順のまま前からどんどん意味を捉える癖をつくるためです。これは読むのにも話すのにも必要な基礎力。
難しい文章を何度も帰り読みしたり頭の中で和訳しながら読んでいると、いつまでも速く読むことはできません。
それに対して、易しい文章をたくさん読むと、英語を英語のまま理解しながら頭の中でガチガチの和訳をすることなく読む感覚が掴めるようになりますし、帰り読みしてしまう癖もかなり減ります。
これは意外と思う人もいるかもしれませんが、自分が楽に理解できる簡単な文章を読んだ量に比例して読解力はついていきます。
なぜかと言うと、簡単な文章ほどスラスラと読めるので、同じ時間でも触れられる英語の絶対量が増えるから。
例えば、400語ほどの難易度の高い長文1つを解いて解説を見ながら一文一文確認するのに1時間を使うのと、その1時間を使って簡単な英語で書かれた洋書などを15ページぐらい読むのとでは、英語に触れている絶対量にかなりの差が出ます。
もちろん後者のほうが英語に触れられる量が圧倒的に多いため、自然と読解力は伸びていきます。
楽に読めるものの多読:読解問題演習=9:1 ぐらいが理想です。
実際にぼく自身、受験時代も今でも難しい長文を読むことは滅多にありません。受験時代はセンターレベルの長文(これがちょうど自分にとって楽に読めるレベルだった)をたくさん読んで、大学に入ってから今までは易しい英語で書かれた洋書をたくさん読んできました。
たったそれだけで特別な対策をしなくても英検1級の長文ですら普通に読めるようになりました。
慣れないうちは洋書でなくても構わないので、何か簡単な英文をたくさん読みましょう。
まずはこういったセンター試験レベルのものから読む練習を始めてみても良いかもしれません。苦手な人は、もっとレベルを落としたものから始めましょう。
4. 一定量のインプットを確保
易しい文章をたくさん読むことが大事と言いましたが、そのたくさん読むことのできる英語を確保する仕組み作りをしましょう。
それさえできてしまえば、後はたくさん英語を浴びるだけ。
インプットは読む英語だけでなく聞くことも含めます。易しい英語をたくさん聴くこともそのまま読解力に結び付きます。
英語を聞くにはやはり前からどんどん英語を理解していく必要があるので、その力はそのまま読解にも活きていくからです。
オススメなのは、自分のレベルに合わせたお気に入りのPodcast を見つけてしまうこと。ぼくは長距離の移動や散歩では必ず英語のPodcast を聞いて耳から英語を大量インプットしています。
英語をずっと聞いていると、いつのまにか脳内が英語モードになっていきます。これを毎日続けることによって英語がそのまま頭にスッと入ってくるようになると、読解時にかかる負担は大きく減ります。
また、英語を読む仕組み作りに関しては、例えば英字新聞の購読なども1つの方法です。
ぼくは一週間に一部が届くので、それを毎週読むことで勝手に安定して英語をインプットすることができています。
英語の読解力をつけるのには、英字新聞はけっこうオススメです。高校生で英語がそこそこ得意(英検2級以上の力がある)なら、アルファは試してみても良いと思います。
他には、洋書には英語学習者のレベル別に分けられた物があるので、そういったものにどんどん挑戦していくのもいいでしょう。
これはラダーシリーズと言って、レベルによって使用される語彙が調整されている英語学習者向けの洋書です。はしごのように英語レベルが段階的に分けられているからラダーシリーズ。
読解力をこれからつけたいという人は、レベル1~2から始めてみると良いですよ。
ラダーシリーズに挑戦しまくることで、かなりの量の英語を読むことができるので、ラダーシリーズを片っ端から読む(月に○○冊読む)という目標を作ることで、安定したリーディング量を確保できます。
なんせ内容も楽しめるので、興味もわかない難しい長文を読むよりもモチベーションも保てますし、やはり本当に本をたくさん読むこと以上に読解力をつける方法はありません。
国語が得意でテストでも常に高得点を出す人は、やはりみんな小説などをたくさん読む人でした。これは英語もまったく同じです。
そして最後に、本や新聞以外だと、インターネット環境さえあれば誰でも無料で使えるBBC Learning English も超オススメです。
無料の公式アプリもあって、スマホからいつでも気軽に使えるよさもあります。
これは本当に重宝していて、ぼくの英語学習のほとんどはこのBBC Learning English が占めています。それぐらい本当にオススメ。
高校生の頃に知らなかったことを後悔するぐらいのレベルです。
5. シャドーイングをしよう!
音読やシャドーイングのようなトレーニングも読解力を上げるのに効果的です。
ぼく自身、ここ数年はシャドーイングを英語学習のメインに置いてきて、その効果はかなり実感しています。
シャドーイングは、聞こえる音声とほぼ同時に英語を口から発するトレーニングです。
これを何度もしていくうちに、英語を読む力は圧倒的に高まります。ぼくが読解で大きく苦戦しなかったのも、シャドーイングの影響が大きいと思っています。
シャドーイングをしていると、音声の速さと同じ速さで英文を理解しないといけません。強制的にこの状態を作り出すことができます。
発音やイントネーションの向上といったスピーキングの要素のみが注目されがちなのですが、実は英語を英語のままどんどん処理する力が圧倒的につきやすいんです。
それはスピーキングにはもちろん、リスニングとリーディングにも大きく影響する力です。
シャドーイングにオススメなのは、一度使った素材で音声がついているものを何度も何度も繰り返すこと。一回使ったものを1日5~10回(長さによる)、それを1週間はやりましょう。
例えば、ぼくはBBC Learning English の6 Minute English というコンテンツの音声を1日3回(約20分)、それを7日間(21回)同じものを繰り返してシャドーイングしています。
以前はこれを1日5回で毎日7日間(同じものを35回)繰り返していました。
それぐらいやっていると英語が自動化してくるので、同じぐらいの難易度の英語で書かれたものは余裕で読めるようになります。
シャドーイングは本当にしたほうが良い勉強法です。どんなレベルの人にも効果があるので本気でオススメします。
6. 英検の長文問題もオススメ
英検の長文問題がオススメなのは、細かく級が分かれているため、自分のレベルに合ったものを選びやすいのと、掲載されている長文の数が他の問題集に比べて多いからです。
センター試験で高得点が取りたい人であれば、下位の級から始め2級(ちょうどセンターレベル)まで取り組めば、効率よく読解力を高めることができます。
英検の長文は内容も多岐に渡り、読んでいて興味深いものが多いことも魅力です。
また、文で覚える英単語というシリーズもおすすめ。
これは長文の中で単語を覚えるコンセプトの単語帳なのですが、音声もついていてかなり使い勝手が良いです。
掲載されている英文をたくさん読むだけでも読解力はつきそうですが、これを読んで内容を理解した後にシャドーイングの素材として使うことも可能です。
こういったものをぜひ活用してみてください。読解力は着実につきますよ!
7. テクニックに頼らない
読解問題にテクニックは必要ありません。
○○は注意して読んで、△△は読み飛ばして構わない、とかそういうのはいちいち考えません。
シンプルに前からどんどん読み進めて内容を把握する、ただそれだけです。
強いていうなら、
①記事タイトルを見て何の話についてなのか知る
②設問を見て問われていることを把握(バイアスがかかるのを防ぐのと時間を無駄にしないために選択肢までは読まない)
③上から読み進めて設問の答えが見つかれば答える
④また読み進める
⑤あとは③と④の繰り返し
これをすれば読解問題は効率良く解くことができますが、読み方自体にはテクニック等は存在しません。
ただ順番通りに黙々と読んでいくだけです。
そもそも文章を読むのにテクニックも何もありません。小説を読むときにも普通に前からどんどん読んでいき内容を理解していくのと同じです。
とにかくたくさん易しい英語を読みながら、たまに問題も解きつつ場数を踏みましょう。
この記事のまとめ
単語力は読解に直結する要素なので、語彙力を増やすことを第一に!
センター試験レベルの英語がスラスラ読みたいなら4000語、それ以上の力をつけたいなら6000語を目安にしよう。
語彙力をつけることと並行して、自分の理解レベルからかなり下げた易しい文章をたくさん読もう。そうすることで英語を英語で処理する力がつき、結果として読解がスムーズにいくようになります。
ほとんどの人がいきなり難易度の高い長文から始めるので、結果として多くの英語に触れられないまま成果が上がりません。
読むのが得意な人は、自分が簡単に理解できるレベルの英文を大量に読んでいる人たちです。
安定したインプットを確保するためには、英語がすでにある程度得意なら英字新聞の購読、耳から聞くPodcast や、苦手でも始められる洋書ラダーシリーズがおすすめ!
その他の読解力を上げる方法としては、シャドーイングもかなり良いです!これは絶対にやったほうがいいと思います。
また、レベル別に細かく分かれていて、長文の掲載数も多い英検の長文読解シリーズや、シャドーイングにもぴったりな文で覚える英単語シリーズも読解力を上げるのには向いています。
テクニックに頼るのではなく、たくさんの英文に触れる仕組み作りをして、本物の読解力をつけていきましょう。
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英語学習ひろば( https://hitononayami.com/ )というサイトの運営を行っております塩見賢人と申します。
現在は、WEBの立ち上げから日が浅い為、サイト上では個人として運営を行っていますが、弊社で専門の部署を立ち上げ、今後法人として行う予定となっております。
今回、御社のhttp://ken-channel.com/archives/18056657.html こちらのページを拝見し問い合わせをさせていただきました。
弊社のこちらのページ( https://hitononayami.com/learning-method/ )では英語資格保持者へ行った、最も効果のあった学習方法は?の調査結果を掲載しております。
弊社独自にアンケートを行い調査した結果なので、他では掲載されていない内容です。
弊社では、この調査結果を、現在英語の学習を行っている幅広いユーザーに届けられればと考えております。
またこのような調査結果を掲載することで、御社のページの信頼度も向上するかと思います。
引用のリンクを張っていただければ、こちらの調査結果を使用していただいて問題ありませんので、是非ご検討ください。
また、今後もこのような調査結果を掲載していく予定ですので、是非ご確認ください。