今回の記事では、ぼくが今まで英語学習で試してきた効果的な英単語の覚え方を3つまとめて紹介します。

それぞれの覚え方はもちろん、利点や、どんな人向いているのかということも詳しく説明していきます。

英検1級には12000語前後の語彙数が必要と言われますが、そこまでの語彙力をつけるに至った方法です。10000語ぐらいなら誰でも到達できます。

【もくじ】
1. 単語学習のコツと大前提
2. 短期間で大量に覚える方法
3. 長期間で丁寧に覚える方法
4. 折衷型の良いとこ取り方法
5. まとめ

まずは単語学習のコツと大前提を理解してください。それを理解しているかどうかで、単語の習得は数倍違ってきます。

コツを知っているだけでもかなり大きな違いになると思います。どれも今回の3つの覚え方すべてに当てはまる根本の部分です。


1. 単語学習のコツと大前提 

何も難しいことではありません。以下のことを踏まえておけば、単語学習はかなり効率的になります。


(1)寝る直前が最も暗記に効果的!

以前ツイートしたものですが、ここの①に書いてある通りで、寝る直前に勉強した単語はかなり覚えやすいです。これは科学的にも証明されています。

直前と言っても、布団の中で寝落ちするまでに単語を確認(それでも良いですが)と言うわけではなく、布団に入る10~30分前とかで大丈夫です。

脳は睡眠中にその日の情報を整理し記憶するのですが、その睡眠の直前の情報が脳にとっては一番新しいので、優先的に記憶してくれるという仕組みです。

これはよく昔から言われていることなので、ぼくは高校時代というけっこう早い段階から単語学習は夜、なるべく寝る前の時間にしていたので、受験英語の単語に関しては大きな苦労をすることはありませんでした。

また、ツイートの内容の②にも書いてありますが、睡眠の直前に学習した単語を起床後もう一度確認することによって、定着度は大幅に上がります。

つまり、【(寝る前)単語→睡眠→単語(起床後)】というように、睡眠を同じ単語でサンドイッチするのがベストです。

これだけで本当に倍ぐらい定着しやすくなります。


(2)1日も間隔を空けずに続けるのが大事!

一度ですべて覚えようと力む必要はなく、それよりは、間隔を空けずに同じペースで毎日続けることが最も重要です。

1日に50個覚えたとして、その後2~3日は何もせずに、また4日後に単語をする。今回はしんどいから20語。そしてまた一週間後にまとめて100語。みたいなやり方は最悪です。

それよりは、同じペースで毎日するほうが100倍いいです。

毎日続けるほうが、間隔をあけながらやるよりも単語帳を早く一周することができます。その結果、同じ期間でもより多く単語を復習することができます。

単語は一度で覚えようとせずに、短い間隔でどんどん復習して、その回数を重ねるうちに定着していくのが理想です。

とにかくペースを保って淡々と続けることが大事です。

この記事で紹介する単語学習の方法も、間隔を空けずに毎日続けることが前提です。といっても、そんなに大変なことではなく、1日せいぜい20~30分でできることです。

普通の人がボーッとテレビを見たり携帯をいじっている時間のほうがもっと長いので、それぐらいの時間は誰でも作れます。


(3) 一度で完璧に覚えようとしない

よほど天才でもない限り、普通は一度で覚えられません。それは誰でもそうなので、一度で完璧に覚えれなくても落ち込む必要はありません。

大事なのは、単語に出会う回数を重ねていくうちに徐々に覚えていけるように持っていくことです。

たった一回見ただけのものは、しばらく見ないうちに当然忘れてしまいます。なので、一度で完璧に覚える、ということはそもそも不可能に近いです。

できたとしても、しばらく放置する期間が長いと一度やったぐらいではスルスルと記憶から抜けてしまいます。

単語を定着させるには、とにかく短いスパンで出会う回数を増やすことです。

これは科学的にも証明されていて、何度も単語を目にする(出会う回数を増やすこと)で、脳がそれを大事な情報だと認識する。その結果覚えられるようになります。

なので、一度で覚えなくてもいいので、反復していく中で覚えていくようにします。短期的な効果は見えづらいですが、1ヶ月先を見越すといいです。

その方歩については、後ほど説明します。


(4)必ず音声を活用する

単語帳は音声がダウンロードできるものや付属のCDがついているものがほとんどなので、音声を必ず活用しましょう。

新しい単語を覚えるのに、その単語がどのように話されるのかをあやふやにするのはオススメではありません。

もちろん発音記号を見れば発音はわかりますが、実際に聞いてみてその単語の響き、感覚的なものを捉えるのは大事だと思います。

言葉を学ぶのに音声なしというのは考えられない、というのがぼくの個人的な意見です。

もちろん、音声を活用することには単語の暗記の効率を上げるメリットもあります。

何かを覚えるのには五感をフル活用すると良いのは有名な話です。

ただ読むだけではなく、音声も聞くことで、目と耳から。実際に書いたりして手を動かす、書かない場合は手振りを加えても良いですね。それと同様に、声に出してみるのもすごくオススメです。

個人的に一番大事なのは、目で見ながら音声を聞き、自分でも発音する(シャドーイングやリピーティング)です。

単語を覚えるときに書いて覚えるかどうかは賛否がありますが、書かずに覚える方法と書いて覚える方法のどちらも紹介します。


(5)ここまでのまとめ
・寝る直前が暗記に最も効果的。起きてからその単語をもう一度確認するとさらに良い。
・1日も間を空けずに「続けること」が一番大事 
・一度で覚えようとする必要はない。回数を重ねるうちに覚えることを意識。
・音声は必ず活用する。五感をフル活用(声に出す、ジェスチャー等)

さて、ここからは具体的に単語の暗記方法を3つ紹介します。どれもぼくが実際に試して効果が大きかったものです。それぞれの目的が違うので、それに応じて合うものを選んでみてください。


2. 短期間で大量に覚える

総合的に見て、このやり方が手っ取り早くたくさん単語を覚えられます。実際にこの方法でぼくは1ヶ月1000語ペースで単語を覚えました。

英検1級を受けたときも、3ヶ月の準備で3,000語覚えて十分に間に合いました。ちなみに、当時は大問1は21/25点でした。その点数だと語彙レベル的には12,000語ぐらいじゃないかと思います。

単語をたくさん覚えると長文もかなり楽になりますよ。実際に語彙問題の後の読解は全問正解で合格しています。

ということで、さっそく大量に単語を短期間で大量に覚える方法を説明します。1ヶ月に1,000語ペースの場合はこうします。

【1日200語 × 5日=1,000語】×6周
・1日に200語に目を通す
・5日で1,000語に到達
・6日目からは最初の200に戻る
・5日で同じ1,000語を1サイクルと、それを6回繰り返す。(5日1000語×6周=1ヶ月)
これを、最初のコツでも説明した通り、寝る直前と朝起きてからざっと目を通します。

つまり、1日で時間の取れるときに200語を確認、寝る前にも同じ200語にざっと目を通す。そして起床後にも同じ200語に目を再確認。

つまり、同じ200語に1日3回目を通していることになり、1ヶ月で6周できるので、3回×6周=1ヶ月で18回同じ単語に出会うことになるということです。

これが短期間で単語に出会う頻度を増やして反復するということです。これは圧倒的な効果があるのは実証済みです。

1ヶ月経ったら、どれぐらい覚えたのかを確認して、自信がないものは単語帳アプリなどを使って登録し、フラッシュカード形式で集中的に見返すことで抜け漏れを完全に拾えます。

当時なんとなく良さそうだと思って編み出した方法なのですが、これは実際に科学的にも正しいやり方のようです。おそらくこれを越える効率の良い記憶方法はありません。

ただ、少し欠点もあります。それは、どうしても理解が広く浅くになってしまうこと。

大量に反復とは言え、同じ単語帳の例文の文脈の中でしか出会っていないので、やはりそれは避けられないところはあります。

ただ、浅く広くでも、だいたい単語を知っていることは大きく役立ちますし、試験でまずは点がいるという人にとっては最も効率的です。

浅く広く単語を覚えた後は、たくさん色んな物を読んだり聞いたり、つまりインプットを続けながら、その中で少しずつ理解を深めていくことが必須だと思います。

この短期集中型は目の前の資格試験のためにまずは単語をたくさん覚える必要があるという人には一番オススメです。


3. 長期間に渡って丁寧に覚える方法

さっきとは真逆の方法ですが、これもこれでアリです。Twitter でよく「英語は書いて覚えるな」と批判されがちなやり方ですが、ぼくはこれしっかりやりました。

中学生のときは英語は地道に覚えていたので、中1の一学期期末以降は卒業まで90点を切ったことはありませんし、公立高校入試の英語は満点でした。

高校に入ってからは記述模試では基本的に偏差値は80前後。某私立有名大学の入試は200点中194?192?二問間違いで合格です。(センター転けたのは内緒w)

とまあこんな感じなのですが、これは自慢ではなくて、長期間に渡って地道に単語学習だけは続けていた効果だと確信しています。

「書いて覚えるのはダメ」は誰がいったんでしょうね?めちゃくちゃ良いに決まっています。目的や目標到達までのスパンによっては、こちらも有効です。

以下やり方です。
1日に覚える数を設定(10~30個数)
①単語の意味と例文を確認(音声も聞く)
②それぞれ10回ずつ発音しながら書く
③日本語を隠して、単語の英→日テスト
④英語を隠して、単語の日→英テスト
⑤寝る前にその日勉強した単語に目を通す
⑥起床後も勉強した単語を再確認する

至ってシンプルですが、高校に入学してからは本当にこんな感じでやってきました。睡眠の前後の復習はここでも同じです。

今やるとしたら、これに例文シャドーイング&暗唱も加えます。

数が少ないぶん、無理なく着実に覚えられます。ただ、たくさん覚えるのには日数がかかるため、先ほどの短期間で大量に覚えるのとは真逆の方法。

この方法がオススメなのは、時間がたっぷりある人(例えば高校受験というゴールに向けて勉強している、中1や中2)です。

短期間で大量に覚える必要に迫られていない人であれば、無理なく着実に続けることも大事です。

ちなみに、1日10語を毎日欠かさずやれば3,000語を越えます。意外とバカにできないですよ。

中学のときのテスト期間中はその方法で単語も教科書中の英文もすべて完璧に暗記していたので、それで教科の中では英語が得意になりました。(教科書の音声はありませんでしたが)

高校ではさすがに分量が増えるので、教科書の英文すべての丸暗記をすることは辞めましたが、テスト期間中はすべての単語と熟語はこの方法で暗記しました。

高1の途中の段階で単語帳を毎日上のやり方で10個ずつ覚えていきました。

高校に入ってからも失敗しなかったのは、中学のときにこのやり方の癖がしっかりついていたこと、高校に入ってからは単語だけは地道に続けていたからです。

さっきも言った通りで、目標達成までに長い時間がかかっても良い人(2~3年後に受験がある学生)や、マイペースにやりたい人にはこのやり方があってます。

個人的には、語彙数が3000~4000ぐらいに達するまではこのやり方、その後は最初に紹介した短期集中型に切り替えるのが良いのかなと思っています。

ただ、この辺は、個人の目的や時間によって違うと思います。


4. 折衷型の良いとこ取りの方法

先ほど紹介した2つはそれぞれ真反対なので、その間ぐらいに落ち着くやり方も紹介します。

自分は今は短期間で大量に語彙力を増やす必要性には刈られていないので、この方法で単語の復習をしています。

以前ツイートしたものですが、そちらがその覚え方です。

この方法もなかなか気に入っていて、割りとどのレベルや目標の人にもアリなやり方なんじゃないかなーと思います。

1日100語なのですが、毎日50語は被せるようにするので、実質1日で触れる新しい単語は50個です。

上記ツイートは、ぼく風にアレンジしたやり方なので、もう少しシンプルにするとこうです。

【1日目】
①1日100語(1~100)を音声に合わせて確認していく
②寝る前にも同じ100語を確認
③ 起きたあとも確認
【2日目】
①上のやり方と同じく100語(51~150)
②寝る前にも同じ100語
③起きたあともサラッと復習
【3日目】
①同じく100語(101~200) 
(以下省略)
これをひたすら毎日続けていきます。2000語の単語帳なら40日で1周するので程よいマイルドなペースですよね。

こんな感じで、単語帳を3周ぐらい(120日プラン)するのが良さそうです。

このやり方では、単語を書かないので、代わりに音声を活用してシャドーイングやリピーティングを取り入れるとかなり良くなります。

ぼくはこの単語学習では、シャドーイング・例文暗唱・瞬間英作文をやっているのですが、知らない単語も忘れていた単語もスーって覚えられています。

ちなみに、さっきのツイートに書いてある「暗唱」というのは、やり方について記事にしてあるので、気になる人はこの関連記事を参考にしてください。


個人的には、これからは単語学習についてはこのやり方に落ち着きそうです。どのレベルの人にもオススメです。

一番最初に紹介した短期集中と聞いて身構えてしまう人にも、この方法が良いかなと思います。


5. この記事のまとめ

資格試験などが迫っていて、短期間で大量に単語を覚えたい人は【(1日200×5日)×6周】で1ヶ月に1,000語がオススメ。

単語暗記には↑が一番手っ取り早いし効果的かつ効率的。

ゆっくりと時間を取っても構わない人は、1日のペースを無理のない範囲(10~30語)に設定して毎日続ける。

その2つの方法の間をとって、前後の50個ずつ被せて1日100単語に目を通していく方法もオススメ。

全部のやり方に共通しているのは、よほどのことがない限り基本的には毎日続けること&睡眠の前後に復習すること。