今回は英検1級のライティングについて。

新形式になって(2016年以降)いくつか変更点があります。


旧形式:200語前後 → 新形式:200~240語

旧形式:POINTSあり。→新形式:ポイントなし。


旧形式では190wordsでもよかったのが、新形式では最低でも200語になったということですが、そこまで大きな変化ではないと思います。

ただ、POINTSがあらかじめ提示されなくなったのは大きいですね。ゼロから自分で主張を考えないといけなくなりました。

なので、少し難化したということです。とはいえ二次試験のスピーチもゼロから意見を組み立てるので、それがライティングでできなければ二次では到底太刀打ちできません。今のうちに慣れておけるので良い改定ですね!

じゃあライティングの変更点(たいした変化はない)を説明したので、さっそくエッセイを書くコツを説明していきます。


・コツ1:急に文章を書き始めない。

トピックについて自分のスタンス(肯定or否定)を決めたらすぐに書き始めるのは絶対にしないようにしてください。勢い任せで書き始めると効率が悪くなります。最悪の場合初めから書き直し、、とかも充分起こり得ます。

1級にもなってくると、問題をかなり早く解かないといけません。なので最後の問題のライティングに当てられる時間がちょっとしか残ってないのもよくあること。焦っていきなり書き始める気持ちもわかりますが、ぐっとこらえましょう。

まずは頭に浮かぶトピックのPOINTSをメモスペースに書き出せるだけ書き出します。そのPOINTSを見比べて書きやすそうなスタンス(肯定or否定、あるいはYES or NO)を決める。そこから段落構成をざっと考える。

先にポイントをメモしておくことで、あと1段落書くことが思い浮かばない、ということはなくなります。あとは骨に肉付けしていく感じなので、ここまでできればほぼ完成。


例:「酒やタバコのような有害物質の広告は厳しく規制されるべきか」というトピック。

まずはPOINTSをひねりだしましょう。

・実は悪影響は少ない
・表現の自由
・経済によい影響をあたえる
・思春期の子どもは影響を受けやすい
・有害な物を宣伝するのはおかしい
・人の振る舞いに悪影響


ざっくりこんな感じでポイントをいくつか思いつきました。ここから実際により説得力のある文章が書きやすいスタンスを取ります。

「表現の自由」「経済に良い影響を与える」なんかは書きやすそうですし、主張も強くなりそうですね。逆に下の3つは主張が弱くなってしまいそうなので、今回は「NO(規制するべきではない)」のスタンスを取ります!

段落の構成は

イントロダクション
ボディ①
ボディ②
ボディ③
コンクルージョン

の5段落以外はあり得ないのでこれで決まりですが、ボディの順番を決めましょう。基本的に、より強い主張ができそうなものから書いていけば説得力が増すので、

イントロダクション
ボディ①:表現の自由
ボディ②:経済効果
ボディ③:実は悪影響は少ない
コンクルージョン


という構成にしました!ここまでできたらもうほぼ完成。後はこれにそって英語で書いていって、少し肉付けするだけです。ここまでできらば後はスラスラ書けると思います。

これができてから書き始めるようにしてください。


コツ2:イントロとコンクルは定型文が使いまわせるようにしておく。

パターンを1つ決めておけばエッセイでも二次のスピーチでもまったく同じのが使いまわせますよ。

下の2つは英検1級 面接大特訓という本で著者の植田一三という先生が紹介していた定型文の中でぼくが気に入った物です。

【イントロ】
It is a highly controversial issue whether or not ~. Personally I believe~ for the following three reasons.

【コンクル】
For these three reasons;( ~,~, and ~, )I strongly believe ~.

※かっこの中は語数に余裕があればポイント3つをパラフレーズして書く


このパターンはかなり便利でほぼこれでいけてしまいます。

実際に二次の面接のスピーチではイントロはこのまま使ってさくっとスムーズに終わらせました。もちろんライティングにもまったく同じように使えます。

ちなみに二次に関しては時間が足らずコンクルにはたどり着けなかったのですが普通に受かってました。それについて詳しく知りたければこちらをどうそ。

関連記事:英検1級の二次試験を受けました。絶対落ちたと思ったけどなんとか合格。雰囲気や様子を生々しく語ります。


話をライティングに戻しますが、

ライティングで時間に余裕がない場合これを使ってしまえばイントロなんて30秒で書けます。語数もそれなりに稼げます。

少し機械的ですが点数的にも評価は悪くないと思います。なのでこの定型文はいざというときに使いまわすために覚えてしまっておきましょう。

例として、上の定型文を使い、” Should advertising for harmful substances such as alcohol and tobacco be more heavily restricted?" というトピックでNOの立場のイントロを作ってみます。

It is a highly controversial issue whether or not advertising for harmful substances such as alcohol and tobacco should be more heavily restricted. Personally I believe that advertising for harmful substances should not be more heavily restricted for the following three reasons. (42語)

こんな感じです。トピックを~に当てはめただけ。簡単ですね。かなり時間の節約になります。


コツ3:ボディの段落での文の順番は「広い主張→より具体的」に。

どういうことかというと、、

とりあえず、またまた上ででてきた例である「酒やタバコのような有害物質の広告はもっと厳しく規制されるべきか」というトピックでNOのスタンスのエッセイのボディ段落②(経済効果)を見てみましょう!

ここではわかりやすくするため日本語で書きます。

「2つめの理由として、広告は多額の金を産みだし、社会の経済成長に大きく貢献する。実際に、多くの人は広告を見て酒やタバコを買う。また、日本ではタバコや酒の購入によって税金(タバコ税など)がまかなわれている。これは日本をかなり支えているのは否定できない。」

という文章がこの段落ですが、これも広い主張から始まり、より具体的な例が述べられていますよね。

もしこの文章の並びが違ったら、あまり論理的にならないはず。

1番大きな主張を1文目に持ってきて、それが起こる理由としてより具体的な文を書くようにします。


もし、「2つめの理由として、広告を見て多くの人が酒やタバコを買う。広告は多額なお金を産む。~(以下略)」
こういう文の並びになってしまうと、一番大事なこと、一番主張したいことって、みんながいっぱい酒とかたばこを買うことなの?ってなってしまいます。最初の一文に一番大事なこと、

大きな主張を最初に書きましょう。

これはたくさん書いたり解答例を読んだりしたら自然と身に着きます。


コツ4:ボディの段落3つは、1段落につき3~4文を目安に。

ボディの3つの段落で、ひとつだけ極端に長すぎたり短すぎたりすると、見た感じバランスが悪いですよね。ということは、文の構成の観点で点数が下がってしまいます。

それに、主張の強さにも勝手にバラつきが出てしまいます。長い段落は説得力があるのに、短い段落は中身が薄っぺら。こうなってしまうと内容点も1段落ぶんマイナスになってしまいます。

そこで、1段落につき3~4文書くことを目安にすると、だいたい同じくらいの長さで書くことができます。

1個の主張につき3~4文だと内容的にも理解しやすい文章になるはず。


コツ5:同じ単語は違う単語に言い換えてバリエーションを!

1つのトピックについてまとまった長さのエッセイを書いているのだから、同じ単語がたくさん出てくるのは当たり前です。そこまで気にする必要がありませんが、合格点に必要な点ではなくさらに高得点を取りたければ少し意識してみましょう。

例えば、「死刑制度」についてのエッセイであれば、各段落に「死刑」という単語が出てくるわけですが

death penalty を何回も使いたいところを、たまにcapital punishment に言い換えてみるような感じですかね。

余裕があれば言い換えられそうなものは重複を減らし言い換えてみましょう。


コツ6:一文が長すぎると思ったら2つに分けてみよう!

文法が得意な人ほど陥りがちですが、長すぎる文章はわかりにくい場合もあります。相手に伝わりやすい文を心がけましょう。

一文が長かったら専門的っぽく見えるしなんか難しそうな文を書いている感じがするし、いい評価がもらえるんじゃない?と思う人もいますがそんなことないです。

それはただ長いだけ。とくに、~, and~~~~, but~~~. みたいなandやbut多発は最悪なのでやめましょう。普通に区切って新しく一文にしたほうがわかりやすいですよ!そのほうが順序も主張もはっきりします。



とりあえずこんな感じです!

1番重要なのは、書き始める前にポイントを思い浮かぶだけ書き出してしまうこと。構成まで決められればこっちの勝ち!

ポイントが頭に浮かばないことには何も書けないので、たくさん知識をつけておきましょう!


英検1級のライティングではこれが一番オススメです。



各トピックの1段落分の主張が1ブロックとしてバラバラに紹介されていてかなり幅広く知識がつきます。エッセイを書くときはそれらの知識の中から必要なものを取り出すだけ。

予想問題も30問もついており、予想問題の解答例に目を通すだけでも必要な知識が身に着きますし、実際に英検1級では同じような問題がほぼ必ず出ます。

とりあえず英検1級のライティング教材はこれさえあれば問題ないです。

関連記事:「英作文問題完全制覇」は英検1級の対策にオススメの教材。

この記事に詳しく書いているので1級を受ける人は必見!

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