英語を話すのって楽しいですよね!
今まで英語を勉強してきて一番よかったなと思える瞬間って、英語で言いたいことが伝わったときじゃないでしょうか?

ぼくはイギリスに1年留学して、その後仕事でもプライベートでも日常的にたくさん英語を使ってきてました。なので昔に比べるとそれなりに話せるようにはなりました。

それでも、いまだに「あー、あのときもっとうまく話せたはずなのに」「ああ言ったらよかった」とかいう風に後で振り返って思うことがよくあります。

話せば話すほど自分の英語の問題が出てきて、それと向き合うという繰り返し。英語って奥が深い。


ぼくはきっとこれからも英語を学び続けていくのだと思います。
英会話講師でもまだまだ伸びしろがあるので英語はやめられませんね♪


そんな英会話ですが、ぼくの経験からわかった実際に話すときに意識すればよいことと、一人でもできる勉強方法を紹介したいと思います!



1.話すときに限っては、「文法が完璧でなければならない」という意識はいったん捨てよう!

ぼくはこう思えるようになるのに少し時間がかかりました。今まで中学校や高校で受けてきた英語の授業やテストって、どうしても「文法の正確さ」が一番大事とされていたんです。とくに高校は進学校だったため、ひたすら受験に向けた文法・読解授業ばかり。英語が語学ではなく、ただの難解なパズルゲームだったのです。

パズルはピースがひとつでも違うと完成しません。そのパズルを完成させることがゴールであり評価の基準である英語教育に知らずに侵されていたんですね。大学に入って授業でいざ英語を話そうとしても文法や語法が気になってすぐ言葉につまったり、簡単に一言二言だけ話してみたり、という感じでした。

ぼくの英語遍歴について気になる方は、この自己紹介の記事に詳しく書いているので、もし興味があって、つでに時間もある人は「へ~」という感じでどうぞ(笑)


話を戻しますが、途中で「多少間違っても充分伝わるしそれでいいんじゃないか」と思えるようになっていきました。そこからは気持ちもだいぶ軽くなり、英語を話せる量もどんどん増えていきました。


例えば、昨日学校でサッカーをしました!と言いたいときに

I play football at school yesterday.

と言ってしまっても、文法的には間違いですがyeterdayと言っているので意味は問題なく伝わります。

これは少し単純すぎる例ですが、完璧な文法でなくてもコミュニケーションにはあまり支障がありません。

このことを実感したのは、イギリスにいた頃です。一緒に授業を受けているアジア人はとても英語を話すのが上手ですが、みんな文法は気にしません。とにかく喋りまくって文法ほぼ無視の彼らの英語ですが、問題なく言いたいことが伝わっているんですよ。彼らはコミュニケーションに文法の正確性が障壁になっていないんです。彼らから学ぶことはたくさんありました。


英会話を上達させるには、とにかく多く話すこと。そこに「文法の壁」を作ってしまうとなかなか話せなくなり成長が遅れます。

まずはたくさん英語を喋ること!正しい文法を意識するのは会話がある程度できるようになってからでいいんです。

まず英会話上達の第一段階として「文法の正確さにとらわれ過ぎない」という状態になりましょう!



2.いいたいことがあるのに単語がわからないときは、簡単な単語で表現してみる。

これは英会話においてすごく大事です。これが自然にできる状態に持っていければベスト!

頭の中に日本語で言いたいことがあり、それを英語に直訳して話そうと思うとどうしてもスムーズな会話は難しくなります。

そうなると、英会話の最中に日本語で考えるのはやめたほうがいい。ただ、これは多分いきなりできることではないですが、英語を話しているうちに自然にだんだんとできるようになってきます。

今、もし頭の中で日本語の文を組み立ててしまっても、直訳はせずに英語に置き換えて表現しましょう!


単語単位で言えば、

例えば、「酒屋」(お酒を専門に売っているお店のこと)を英語で言えますか?

ちなみに、これは英語で "off-licence" といいます。

仮にこれがわからなかったとしても、beer shopalcohol shop と表現してしまえば充分伝わります。


文単位だと

例えば友達とレストランに行って、「このレストラン、席全部埋まってて空いてるとこひとつもないね」と言いたいとします。これを瞬間的に直訳しようとすると少し難しくないですか?

席が全部埋まってる、とかなかなかパッと出てこないと思います。

こういう場合、

席全部埋まってる→満席 という風にぱっと置き換えて

This restaurant is completely full. とか、

他には、どちらかというと接客する側の英語ですが、There is no table (seat) available. 等と言うと思います。


もしこういうのが出てこなくても、中学英語で余裕で伝えることができます。

席全部埋まってる→人多すぎ、座れない(食べれない)
という風に状況を簡略化。伝えたい内容は実質同じなので問題なし。


There are too many people in this restaurant, so we can't eat here.

これなら充分すぎるぐらい伝わりますよね。難しい単語も表現もいっさい使っていません。


このように、言いたいことを直訳するのではなく頭の中で瞬時に簡略化して、自分の使えるレベルの語彙に落とし込むようにすれば日常会話はグンと上達します。

言いたいことを簡略化して伝えるのは英会話で一番重要な力です。

少し退屈な英語に聞こえるかもしれませんが最初は構わないんです。こういうことができるようになって英会話も上達してさらに上のレベルを目指す段階に入れば、洗練された言葉を使えるようになればいいんです。



3.自分でも少しゆっくりと感じるスピードで話そう。

これは中級者~中上級者向けのアドバイスなのですが、英語を話すときは少しゆっくりすぎるぐらいの速さで話すようにしましょう。

英語を話すことに慣れてくると、ネイティブスピーカーのように、スラスラ速く喋りたくなってくるのは誰しもが通る道だと思います(笑)

ぼくも「英語を速く話すこと」がかっこいいと思っていた時期があり、まくし立てるように速く喋っていました。
ただ、これは本当にやめたほうがいいと気付き、今では「ゆっくり話すこと」を意識しています。

英語って強弱やリズムが大事なのに、ネイティブでもない日本人が速く喋ろうとしたら当然英語が崩れます。
発音は雑になり、強弱もなくなって平坦なただの少し早口のつまらない、よくわからない英語になります。

ノンネイティブが無理に速く喋ろうとするとそのことに意識が集中してしまい、発音やリズム(強弱)にまで意識が回らなくなるんです。

しかも、英語圏では早口で喋るのは教養がないと思われるらしいです。ひどく言えば、バカっぽい。
逆に、ゆっくりと話す人は教養があり、育ちが良いように見えるらしい。わざとらしければ気取っているみたいになりますが(笑)

これって日本語でも同じじゃないでしょうか?

ぼくらはノンネイティブなのでペラペラ話す必要はないですよ。そんなことは求められていないので、ゆっくり丁寧に話すことを心がけましょう。

ぼくは緊張したら早口になりがちなので、意識的にゆっくり話すように心がけています。ゆっくり丁寧に、は常に意識したほうがいいですね。できた余裕は発音や強弱に回しましょう。



4.強弱をつけて話そう!

これは英語を話すことに慣れたら徐々に意識すればいいと思います。
強弱をつけるためにも、3つめで書いた通り、ゆっくり話すようにしましょう。


強弱をつけるには具体的にどうしたらよいのかというと、

基本的には、機能語(文の中で単体で意味を持つもの)を強く読んで、それ以外(単体では意味を持たないもの)はかなり弱く曖昧に読めばいいです。

機能語は、名詞、動詞、形容詞、副詞です。
それ以外は冠詞、前置詞、be動詞、代名詞、などです。


※さらに細かくいうと、文の中で機能語を強く発音するのですが、最も強く発音するのは文の中にある機能語で一番最後の物です。これがよくわからない人は、英語では文の最後まではっきり読みきればいいと思ってください。日本語って文の最後に近づくにつれて消えそうになりますよね(笑)店員がいうような「ありがとうございましたー」「いらっしゃいませー」って最初は強いけどだんだん弱まりますよね。それとは違うということです。


さっそく例を見ていきましょう!てきとーに文章を作ってみます。
英語の授業で、写真を見せながら好きなサッカー選手についてのスピーチをしているシチュエーションです(笑)

Today I want to talk about my favourite football player. This is Toni Kroos, who is a German, and plays for one of the most prestigious football clubs in the world. He is really talented, and every other club is desperate for him.

これを英語らしく読むにはどのようにすればいいでしょうか。

基本的には、機能語、つまり文の中で大事な意味を持つものを強く読んで、後は曖昧に読めばいいです。


Today I want to talk about my favourite football player. This is Toni Kroos, who is a German, and plays for one of the most prestigious football clubs in the world. He is really talented, and every other club is desperate for him.


この大きい単語が機能語です。それらを強く読んで、他の単語は超てきとーに読むと英語らしいリズムになります。


小さい文字は重要ではない語です。上の文の中だと、of, and, for, is, the, a などですが、これら一つずつ聞いても意味がわかりませんよね。これらは他の意味を持つ単語に組み合わさるものです。

一方で太字の物は単体でも意味を持ちますよね。play, prestigious, football, world, desperateなど。つまり文の中でも重要な単語です。なので強く読みます。


Today I want to talk about my favourite football player. This is Toni Kroos, who is a German, and plays for one of the most prestigious football clubs in the world. He is really talented, and every other club is desperate for him.

これをもう一度、太字の部分だけ読んでみてください。話してることって太字だけでわかってしまいますよね?

今度は小さい文字をおもいきりいい加減に、大きい文字をおもいきり強く、おおげさに読んでみてください。

英語っぽいリズムになってませんか?


実際の会話で強弱を意識するのは難しいって思う人でも、理屈をしっておけば少しは違うと思います。シャドーイングをたくさんすればこれも自然とできるようになってきますよ!




【ひとりでもできる英会話の勉強法】

ざっくり言うと、シャドーイング瞬間英作文英単語を英語で説明する練習の3つが良いと思います。



・シャドーイング

ひとりで英会話のための勉強をするならまずはこれが一番大事です。ぼくの経験上、シャドーイングは本当に効果があると言えます。これを中学生の頃から知っておきたかった。

英会話の基礎となる部分はすべてシャドーイングで身に着きます。

まず、リスニングの基礎力がつくのはもちろん、シャドーイングをやればやるほど、英語のリズムにおける日本語の訛りは消えていき自然なイントネーションが身に着きます。これは習うより慣れろというやつで、実際にマネして口から英語を発することで本当に慣れます。

また、英語を英語のまま理解して話すトレーニングにもなります。英会話のスピード感に慣れるにはシャドーイングは良いトレーニングです。

文章を覚えてしまうくらい何度もシャドーイングしていれば、実際の会話でも同じような文が口から出るようになってくるので、シャドーイングは英語学習のメインにすべきだと思います。

ぼくはシャドーイングを始めてから英語のスピーキング力が向上し始めたので、もっと早い段階から取り入れておくべきだと思いました。

シャドーイングには、英語の資格試験のリスニング対策にもなりますが、今回は「英会話能力の向上」を目的とするシャドーイングに関しての話なので、教材としてはまずは簡単すぎるぐらいの物を使いましょう。スピードはもちろん、英文レベルも実際の英会話を想定して簡単なものを使うとよし。というのも、最初に書いたとおり、英会話では知っている簡単な単語を駆使して色んなことを言い表せるのが良いからです。


とくに初心者の人ほど、自分が思うよりもグンとレベルを落としたものを使うぐらいが初めはちょうどいいです。

スピードが速すぎると、英語をきれいに真似る余裕もなくなって効果が薄れてしまいます。あまりにも高度な英文をシャドーイングするのも、会話からかけ離れてしまうからです。




シャドーイングが初めてという人はこれから始めると良いと思います。ぼくは留学前にこれを使いこんだところ英会話の基礎力がつきました。日常の様々なシチュエーションの会話がたくさんあって、マネしてそのまま覚えてしまえば実際の会話に役立つ英語ばかりなので、本当に初心者にはばっちりの本です。

自分の英会話力が上がるにつれ、使う教材のレベルも上げていく。自分のレベルよりも1段階下のものをシャドーイングするようにしましょう。



・瞬間英作文

言うまでもなく、瞬時に英文を組み立てて口にするトレーニングです。実際の会話でもゆっくりと考える時間がないので、本当の会話に似たような状況でアウトプットのトレーニングができます!

日本語訳から瞬間的に言える英文の種類が増えてくると、英語の基礎が出来上がります。だいたい似たような限られた文構造を使って会話は成り立っているので、その基礎ができていれば後は状況に応じて単語さえ変えればそこそこ話せてしまうというわけです。

ついでに、文法に関しても、たくさんの英文が言えるようになる(覚えてしまう)ことによって、理屈ではなく感覚的に身に着くのがよいところです。つまりアウトプットの練習にも関わらず自然と英文法の基礎ができるのです。


たくさんの英文ストックができる(インプット)×それを瞬時に口にする(アウトプット)=実際の会話で身に着いた文をもとに単語を変えながら話せる。(応用力)

というかなり効率が良いかつ効果的なトレーニングです。しかも瞬間英作文はやればやるだけスピードが上がると思うので、そのぶん成長も感じやすくモチベーションの維持もしやすいのではないでしょうか?

たくさんの英文を身に沁み込ますことができるので良いですね。

ぼくは中学校の頃の英語の勉強の必勝の型がありました。それは、教科書に出てくる文章の一文一文すべて読みながら10回書いて暗記してしまうというやり方です。これでかなり英語が得意になり高校入試も満点でした。ただ、英語を話すことは想定していなかったため、日本語訳から瞬時に口に出すトレーニングはしていませんでした。日本語訳から、英文を書けることを想定していました。

自分のやっていたことは瞬間英作文の原理に似ているなと思ったので、実際に英文を瞬時に口に出す瞬間英作文ならさらに高い効果が得られたんだろうなと思います。中学校の頃から瞬間英作文を知っていれば、もっとすごいことになっていたのだろうと後悔しています。

瞬間英作文ならこの本が王道です。これに載っている英文をすべて瞬間英作文できるようになれば、、英会話に関してはかなり力がつくでしょう。





・英単語を英語で説明する練習です。

これの効果は自分が英会話講師をして、教えていた高校生が卒業するまでの半年間で実証済みです。

毎回のウォームアップのゲームとして取り入れていました。カードに単語を書いてそれを引き、引いた単語を説明するという物。制限時間以内に説明して相手に伝わればそのカードGETという感じです。よければ英語の授業やサークルでの活動としてどうぞ!

もちろんこれは一人でもできます。


英単語を英語で説明をしてをして得られる英会話における効果は、

1.「英語で説明」という行為自体が英語のアウトプットなのでスピーキングのトレーニングになる。
2.単語を英語で説明できれば、言いたいことがあるが単語がわからないときに、簡単な表現に言い換えられる。最悪の場合、そのまま言いたい単語を説明してしまう、という手段が取れる。
3.英語での説明に慣れることで、物や状況を描写できるようになる。(英検準1級以下であれば面接にも対応可能な力がつく)


ということです。

例として、elephant だと

It is a large animal that has a long nose and big ears. It is a very smart animal. のように説明できます。

こういうことを繰り返しトレーニングしていくわけです。かなり良いトレーニングになると思います。


自分の好きな単語や覚えたい単語を大きめの単語カードに書いて、裏に英語での意味の説明を書いて瞬間英作文と同じ要領でトレーニングしたらかなり力がつきますよ。


単語カードは、難易度別にすることをオススメします。

英語初心者の人ならelephant のような簡単な名詞のものをたくさん説明できるようになればいいです。
そういう単語だけを集めた単語帳をひとつ作ります。

それができるようになれば1つ上のレベルの物を集めた単語カードを作って練習しましょう。

徐々にレベルを上げながら単語カードが増えていくにつれ確実に英語のスピーキング力が向上します。


英語で書かれた英単語帳や教材がけっこうあるので、そういうものから単語は引っ張ってきたらいいと思います。音読することで効果もさらに上がるので、2つ紹介しておきます。



英語学習者なら絶対に使っておきたい「English Grammar in Use」の単語バージョンです。このシリーズの本はどれも良書なので間違いないです。

単語をたくさん掲載してあるし、問題演習もできるので、普通の勉強にもなりオススメ。





こっちはまさに単語帳って感じの本です。語彙は基本的なものが多く、日常会話のシチュエーションごとにチャプターが分かれているので、役に立つ単語ばかりです。英語での説明も平易でわかりやすく、取り組みやすいのかなと思います。これを音読するのはいいと思います。



最後に。

英会話で意識することを軽く見ておいて、まずは紹介した一人でもできる練習法の、「シャドーイング」「瞬間英作文」「英単語を英語で説明」をすれば英会話は上達します。

あとは、たまに実際に英語を話す機会を定期的に作れればなお良しです。それこそ今ではオンライン英会話や英語カフェなどたくさん英語を使える場所があるので、本当にいい時代になったなと思います。

このように、ひとりでも英会話のトレーニングができる情報や手段がそろった今なので、ラッキーと思い英会話に励みましょう!

留学なんてなくても誰でも英語は話せるようになります。今はそういう時代ですよ!