一次試験に合格した人、今回はダメだった人、これから1級を受けたいと思っている人など、色々な人がいると思いますが、いずれは二次試験に受からないことには英検1級は取得できないと思うので、どんな状況であろうと二次試験に向けた対策を始めてしまいましょう!


ぼくは一次試験の合格発表の後に二次試験対策を始めたので、かなりギリギリで焦ってしまいました。ただそのぶん、2週間ほどの期間で効率よく二次対策ができた(せざるを得なかった)と言えると思うので、効率の良い二次対策をシェアします。!


一次試験が終わってこれから二次対策を始める人、一次の結果が気になってなかなか始められてない人(以前のぼくです。今からならまだ間に合いますよ!)に向けて書きますが、もちろん今回は受けない人も参考にしてぜひ今からゆっくりでいいので少しずつ準備をしていくと思います!



対策をするにはまず求められているものを把握しておきましょう。


二次試験(面接)で主に必要な力

・ある程度の英会話力(そこそこの流暢さは必須です)

・社会的なトピックに関するスピーチを即興で2分間行う力。

・説得力のある受け答えができる力。


あとは、発音と文法・語彙のバリエーションも見られますが、上の3つが特に重要です。


ということは即興スピーチを2分間で行い、予測される質問や反論に答える練習を通して「スピーキング力」を向上させたらいいですね。

語彙はスピーチの練習をするにつれて自然と豊かになるんじゃないかな。発音に関しては日頃の積み重ねが大事なので面接用に対策は難しいですね。なのであまり気にしなくていいはず。

あくまで、難しいトピックでの「スピーキング力の向上」を目指せばいいわけです。スピーチ暗唱大会とかではありません。



・考えられる対策(一般に謳われている対策法)

1.本番に出そうなトピックに関して自作のスピーチをできるだけ多く作成しすべて暗記。

2.教材の模範スピーチをなるべくたくさん丸暗記する。


よく聞くのがこの2つですね。確かにこれができればいいんですが、、よっぽど賢くないと丸暗記は難しいですし、どれだけたくさんスピーチを書いても本番で同じものに当たることはなかなか起こりません。本当にあらゆるトピックが提示されるので、予測することは難しいです。

まず莫大な時間を要するので、一次試験の後では到底間に合いません。

英語に自信のある人なら違うトピックに当たってもなんとかなるかもしれませんが、そうでない人はせっかくたくさんスピーチを作成して暗唱できるようになっても、本番違うものが当たれば応用が効かずに手も足も出なくなります。

意外かもしれませんが、上記2つは「英語を話すことにほとんど問題のない上級者が高得点で合格するために取る対策」ではないかというのがぼくの考えです。

なので一般的な受験者は、たくさんスピーチを暗記するというよりは応用が効くスピーキング力を上げる対策をしたほうがいいんです。

即興スピーチや質疑応答のトレーニングを通して、色んな難しい状況でも応用可能な英会話力をつけることを目標にしたら楽しく対策ができるし、1級の二次試験はそれにピッタシの良いテストだと思います!



・かと言って何も覚えないでいいというわけではない。

スピーチを何本も丸暗記は必要ないですが、多くのトピックの「ポイント」となる部分は知っておかないと、いくら英語が上手でも何を話せばいいのかわからなくなってしまいます。

ただ、色んなトピックのポイントを抑えるぐらいならそんなに難しいことではないはずです。それに、ライティングの対策である程度のポイントは知っていると思います。

即興で話す力がついていて、ポイント(主張や論点)さえ知っていれば、後はそれについて自分の言葉で話すだけです。

なので、スピーチ暗記というよりは、すでに書かれたスピーチのポイントを広く浅く理解しておけばいいです。



・正しい二次試験の対策

1.幅広いスピーチ(すでに作られたもの)を音読
2.即興で2分間話すトレーニングをする
3.質疑応答の模範例を音読
4.何も見ずに質疑応答のトレーニング

意識すること:音読するのは模範例を暗記するためではなく、あくまでポイントのみを覚えてしまうため。また英語のスピーキングの練習そのものであるということ。



この1~4を行うことが効率がよい、またスピーキング力向上の正しい対策になると思います。これに暗記という過程はほとんど含まれていません。

2と4は、音読したものを自然に思い出せる範囲内で真似ればいいです。ポイントさえ抑えれてそれが伝われば問題ないので、多少拙くても自分の言葉で表現したらいいですよ。


1~4をひたすら繰り返して難しいトピックのスピーチ、質疑応答に対応できるようにトレーニングをしていくのですが、何も持たずに自分の体ひとつでは不可能なので、もちろん教材は選びます。


教材はいくつも持つ必要はありません。分散しすぎると効率が悪すぎるので、

1~4すべてが1冊で完結できてしまうものを選べばいいのですが、それが1冊だけあります。
スピーチはもちろん質疑応答までしっかりカバーされている物はそう多くないはずです。


英検1級 面接大特訓
植田 一三
Jリサーチ出版
2016-01-26



この「英検1級面接大特訓」はかなりの良書です。これ1冊だけで独学ですべて対策が完結してしまいます。誰かに質疑応答の練習を頼まなくてもこの本と一緒にできます(笑)

この本さえ使いこめば割とラクに合格できてしまうと思います。ぼくは2週間でこの本を2周ぐらい回したら普通に一発で受かってました。


関連記事:「英検1級 面接大特訓」は1級の二次試験対策にオススメの参考書。勉強方法もまとめてみた。

この記事の中で面接大特訓については詳しく書いているのでぜひ合わせて参考にしてください。

この本を使った勉強法(対策のしかた)についても書いていますが、それをまとめてみますね。


・この本を使った具体的な対策

一日2章ぶんをこなすようにしましょう。そうすると5日ほどで1周回すことができます。一周したらまた最初に戻り同じように繰り返します。


(1)2章分を熟読。じっくり読み込みます。
(2)同じ2章分を今度は音読します。流暢さではなく丁寧に読むことを心がけます。
(3)今度はひとつずつ暗唱してみましょう。けっこう難しいですが自分の言葉に言い換えてもかまいません。
(4)本番を想定してスピーチを2分間行い質問にも答えてみる。(自然に自分の言葉で話すことを意識)


もう一度言いますが、無理にスピーチや質疑応答を暗記するのではなく、ポイントさえ覚えてしまえばいいと考えましょう。ポイントが頭に入ってさえすれば自分の言葉でどうにかして伝わります。


これを(4)まで終えたら(1)に戻り繰り返す。納得のいくまでやりましょう!
これが1日のトレーニングメニューです。これを二次試験当日まで繰り返します。


ぼくはさらに、大きめの単語カードを100円ショップで購入して、表面にスピーチのトピックや質問、裏面にはスピーチや質問の答えとなるポイント(自分の意見をサポートする理由)を箇条書きで書き込んで、それをもとにスピーチや応答を組み立てる練習をしました。この方法もオススメです!


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こんな感じで表にスピーチのトピックを書き込み


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裏にはスピーチのポイントをいくつか箇条書き。このポイントを見ながらスピーチを組み立てる練習ができます。


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トピックに関する質問も書き写します。


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スピーチのと同じように裏には答えるポイント。


これをうまく使えば、ポイントをもとに即興で話す練習ができます!
どうしても話せないときは、面接大特訓に戻って模範例を確認したらいいですね。


このカードに書き込むという過程で、ポイントが頭の中で整理されて覚えやすいです。


いつでもどこでもパッとポイントを確認できます。
ぼくは面接の控え室はこの単語カードでざーっとポイントのみ目を通していました!


こんな感じで、基本的には本を使ってトレーニングして、すきま時間や、本番の面接を想定したトレーニングで本をめくるのがめんどくさいと感じたときはこのカードを使っていました(笑)


とにかく、このように、音読は必須で、そのあとはスピーチそのものを覚えるのに時間を割きすぎるのではなく、ポイントを抑えてひたすら本番を想定した練習です。

これでそこそこ戦えるようになりますし、スピーキングも必ず向上するので、ぜひがんばってみてください!


一次試験とは違って、鉛筆を持つ必要も難しい話を読んだり聞いたりする必要もない(カードに書き込むならべつ)し、英語をただひたすら声に出して話すだけなので、時間もあまりかからず取り組みやすいと思います。


さらに、もし出来るのであれば実際に英会話をして二次試験に頻出のトピックについてディスカッションをするといいです。
特に自分がスピーチの練習をしたこのある話題について会話をすると、質疑応答の実践的な練習にもなりますし、自分の考えを本当の会話の場で口に出すことで記憶に定着しやすくなります。

関連記事:
オンライン英会話を活用した英検1級のライティング&スピーキング対策。


英語って本来話すものですよね。
二次試験の対策ではひたすら英語を話す練習をするだけなのですごく楽しいですよ♪

リーディングや単語のペーパーテストと違って実践的なのでモチベーションも上がりませんか?


これを越えれば英会話力も必ず上がると思うので、その課程をぜひ楽しんでみてください!