「英語を話せるようになるのに文法の勉強は必要ですか?」という質問をいただきました。

同じことを思っている人は他にもけっこう多いんじゃないかなと思います。

ということでぼくなりにこの質問に答えていこうと思います。


さっそく結論から言うと、

文法の勉強は必要です。ただし、英語を話すときには初めは文法をあまり気にしすぎる必要はない

というのがぼくの考えです。

これについて少し詳しく説明していきます。


英会話のために文法の勉強が必要な理由

英語を話すのに文法は必要ないという人がよく言うのが、

「中国人やその他アジア人は文法がめちゃくちゃな英語を話すけどその英語は通じる」

ということ。

これは確かにその通りで、ぼく自身イギリスにいた頃に色んな国の人と話しましたが文法めちゃくちゃな人はけっこう多かったです。それでも全然問題なくコミュニケーションが取れていました。

ただ、だからと言って、「文法は必要ない」というわけではないです。

確かに細かい文法の用法などは必要性が低いかもしれませんが、第二言語として英語を話す英語ノンネイティブの人の正確ではない文法の英語も「最低限必要な基本的な文法ルール」にはきちんと乗っかっています。

もし文法なんて必要ないと言ってしまえば、

「主語+動詞+(その他)」

というような語順すら必要なくなってしまって、ただ単語を羅列するだけの会話になってしまいます。それだと充分なコミュニケーションは取れませんよね。

細かい文法ミスはあってもしっかりとコミュニケーションができるレベルの話者は、そうした最低限必要な文法事項には忠実に英語を話しています。だから伝わっているんです。

英語を話すためには少なくとも「中学英語レベルの文法」はすべて理解しておく必要はあります。

そして中学レベルの英語が使いこなせるとある程度のことは伝えられますが、それ以上のレベルの文法学習も後々(ある程度英語が話せるようになってから)は必要だと思います。

これについては後で説明します。

英語を話すときは文法を気にしすぎなくてよい→会話に慣れてきた→さらに細かい文法勉強

※さらに細かい文法学習の段階までは英会話と同時に例文のインプット学習も並行をオススメします。

まずは「会話で文法を気にしすぎない」について!


英語を話すときは文法ミスを怖がらない

先ほど説明した通り最低限の文法事項は必要ですが、英語を話すときは細かいところは気にしなくていいです。

そういう意味では、「英会話に文法の勉強は必要ない」とも言えなくもないです。もちろん必要ですが!

外国人は細かい文法がガバガバでも自信を持って英語を話す人が多いので、そういう精神面を見習いましょう。

なぜ話すときに文法を気にしなくていいのかというと、


・多少文法がおかしくても問題なく伝わることが多い
・英語の流暢さが増す
・誰もあなたの文法ミスなんて気にしてない


とくに3つめですが、誰もあなたの文法ミスなんて気にしてないし、これっぽっちも興味ないと思います。日本人は正しい文法で話そうと頭でめちゃくちゃ考えて話す人が多いです。みんな間違いを怖がるのですが、全然その必要はないですよ!

必要以上にself-conscious にならなくてもいいです。

まずは少しぐらい文法を間違えようが気にせずとにかく話すこと!

多少文法がおかしくても伝わる例をいくつか挙げてみます


I play football with friends in park yesterday.

Are you study English every day?

He don't spaek Japanese.

I like read books when my free time.


挙げだしたらキリがないのでこの辺にしておきますが、全部問題なく意図することは伝わりますよね?どうですか?

1つめはplayed(過去形)になっていなくてもyesterday と言っているので昨日の話(過去の話)だと伝わります。in park にもthe がついてないですが、文の意味にまったく影響ないです。

ちなみにこれは完全には間違いとも言い切れず、イギリス英語では前置詞の後の冠詞を省略することがけっこうあります。

in hospital
in future

など。学校でin the future = 将来 などと習ってthe がなくてはねられた経験のある人いませんか?本当はなくてもOKです。

He don't speak Japanese. なんかも全然伝わりますよね。同じく、He speak English. も三単現のs を忘れても支障なしですよね。

残りの文の解説は省きますが、所詮こんなもんなんですよ!思ったより伝わるし、必要以上に文法ミスは気にしなくていいんです。

ただし、話すことに慣れてきたら、なるべく正しい英語を話そうとするといいと思います。

Fluency(流暢さ)とAccuracy(正確さ)はシーソーみたいな関係。

片方を重視すれば片方はおろそかになります。

英会話(コミュニケーション)が目的ならまずはFluency により意識を向けて、慣れてきたら次第にAccuracy とのバランスを取っていけばいいと思います。

最終的には流暢さと正確さの両立を目指すべきですが、

最初は流暢さ(コミュニケーション)重視で問題ないかと思います。



英会話の勉強に必要なのは引き出しを増やすこと

文法は気にしなくていいからとにかく話せと言われても、だからと言っていきなりスラスラは話せません。

まずは英文(英語の例文)の引き出しを増やす作業が必要です。

自分がスラスラと口に出して言える例文の数が多いほど、実際の会話で出て来る英語のパターンも比例して増えます。

例えば、

I don't know how to use this computer.
(このパソコンの使い方がわからない)

という例文があるとして、これがスラスラ言えるレベルで頭にインプットされていると、

英語を話しているときに「~の仕方がわからん」と言いたい状況で、この例文を応用して(use以下を変えながら)色んなことが英語でぱっと言えます。

I don't know how to sing.

I don't know how to cook.

I don't know how to get to the station.


みたいな感じ。たったこの1個の例文が引き出しとしてインプットされているだけでこれだけのことがすぐに英語で言えます。

例文1個につき10個以上は単語を変えながら色んなことが表現できますよね。

例文1個の引き出しで10のことが表現でき

例文10個の引き出しで100のことが表現でき

例文100個の引き出しで1000のことが表現でき

(以下続く)

例文のストックが増えれば増えるほどそれらを組み合わせたりしながらさらに幅広く表現ができるので、実質は比例どころか例文ストックの数の二次関数的に英語で話せることは増えていきます。

例文のストックが増えると自然と文法や語法も身に着いていくものです。ストックを増やす作業をしながら、英会話では文法ミスを怖れずにどんどん話す。慣れてきたら正確性も意識しだすというのがいいと思います。

使える英語の例文の引き出しを増やすにはこれがオススメです。



これのいいところを簡潔にまとめると、

・例文が約700個(かなりの英文の引き出しができる)
・アメリカ人の著者が実際にアメリカでよく使われる自然な文を厳選
・各文法事項が質の高い例文と学べる
・瞬間英作文に相性抜群のデザイン


話すための英文法書です。とにかく英会話ができるようになりたい人にはかなりオススメです。「毎日の英文法」については以前他の記事で詳しく書いているので合わせて参考にしてください。

関連記事:「毎日の英文法」は瞬間英作文にオススメの教材!英会話力がUPするよ!


会話に慣れてきたらさらに新たな文法学習も!

この記事の通りの段階をたどって、中学レベルの文法は理解しており会話に慣れてきたという人は、そこからさらに細かい文法事項も勉強するのをオススメします。

もともと文法が得意な人も、高度な文法だったりその他の細かいところを復習したりするといいものです。

というのも、最低限の文法知識だと表現の幅が限られてくるからです。

インプットの量が足りてないといずれはアウトプットも頭打ちします。

文法学習というよりは、色んな文法事項を含んだ幅広い例文にあたってみることなのかなと思います。

そういった英語を自分の中にインプットしていくことでさらに細かく幅広いことを英語で表現できるようになっていきます。

「けっこう英語で話せるようになってきたなー」という人はあえてインプットを増やすことでさらに1段階スピーキングも向上するのではないかなと思います。


かなり幅広くバライエティ豊かな例文にあたるにはこれをオススメします。




質の高い例文が7000個もあります。これらをインプットできたなら会話で必要な文法事項は完全に網羅できるのはもちろん、圧倒的な表現力がつきます。

この本の例文を使えるレベルまで消化しきったらおそらく英語で言いたいけど言えないことはなくなります。

英会話力がついてきたけどそこからさらにもう一段階伸ばしたいという人には必須なんじゃないかなと思います。

関連記事:「完全マスター英文法」には英語学習(とくに英会話習得)に必要な全てが網羅されている。


ということでこの記事のまとめ

「英会話のために文法の勉強は必要なのか?」という質問。

それの答えをまとめたものが以下になります。


英会話には最低限の文法の理解(中学英語レベル)は必要。そのレベルの知識があれば英語の正しい語順で喋る力は備わっていることに。

なので中学レベルの文法の勉強は前提になります。

そして実際の英会話では細かい文法・語法ミスは気にせずとにかく喋ってみること。

誰もあなたの間違いなんてちっとも気にしていないのでとにかく話しましょう。そうすると自然と英語を話すことに慣れてきます。

また、英会話を伸ばしたければ学習として例文のインプットを並行すると効果が倍になります。

とにかくたくさん英語を話して、英語を話すことに慣れてきたら文法の正確さも少しずつ気にしていけばいいと思います。

「英会話力がけっこうついてきたな」と思えてきたら、さらに大量のインプットをしてそれをアウトプットしていきましょう。そうすればもっと英会話力は伸びていきます。