次のような質問をいただいたのですが、しっかり答えようとするとかなり長くなると思ったので1つの記事にしました。

"こんにちは、いつもブログ ツイッター興味深く拝見しております。英語の勉強法についての質問です、僕は今まで音読と文法、単語の勉強を中心にしてきて、リーディングやリスニングについてはかなり力がついてきたのですが、スピーキングとライティングはなかなかうまくいきません。なので何か例文暗記や文章の暗唱をする形の勉強を始めた方がいいと思っているのですが 何かいい参考書はあるでしょうか?やはり中学教科書や英検の過去問を使うべきでしょうか?"

まず初めに、ブログやツイッターを読んでくださってありがとうございます!お礼に精一杯質問にこの記事の中で答えさせてもらいますね!

ではさっそくライティングとスピーキングを伸ばす方法について考えていきましょう。


音読・文法・単語の勉強

これらは今までされていたことですね。

文法や単語だけで終わってしまうのではなく、音読という「実際に英語を声に出す練習」を行っているので、バランスのとれた勉強ができているのではないでしょうか。

これらはそのまま続けたのでまったく問題ないと思います。

これらの3つについてですが、スピーキングとライティング力の強化のために意識したらいいことをそれぞれ書いてみます。


音読について

音読はスピーキング力UPに高い効果があります。

音読と言ってもそれぞれ目的が異なると思いますが、今回はスピーキング力をUPさせることが目的の音読に絞らせてもらいます。

そこで気になるのが「どのような素材を音読のために使っているのか」ということです。

色んな素材を片っ端から音読するのは読解力の向上には繋がってもおそらくあまりスピーキングには効果がありません。

会話力を上げたいのであれば、音読する文章が会話で使えるレベルの英語であることが大事です。


わかりやすくするために少し大げさな例を挙げますが、

英検のアカデミックな長文問題で出てくるような内容や難易度の文章はスピーキング力UPのための音読には向いていません。

「脳の情報伝達の仕組み」「古代エジプトの謎」

のようなものを音読してもおそらく会話に役立つような表現には出会いにくいと思います。

逆に「日常会話のダイアログ」とかなら文章はそのままほとんど使える表現がたくさんあると思います。

ただ、音読するのがダイアログのみになってしまうと内容が少し物足りないので、もう少し中身のあるものも音読の素材に使うといいですね。


例えば

「田舎暮VS都会暮らし」「スマホの普及について」

ダイアログではなく説明文でもこれらのような内容であれば生活に密接した日常的に役立つ表現や単語がたくさんあるので音読すればするほどスピーキングに効果があると思います。

ちなみにトピックの例はぼくがてきとーに考えただけなのでもちろんこの通りでなくてもいいです。

どんな素材を使うべきかは学習者のレベルによって変わりますが、

あくまでスピーキング向上のためだと、自分のレベルよりも1段階もしくは2段階ほど下の、文章の意味が英語が英語のまますんなりと入ってきて問題なく理解できるようなレベルのものを使えばいいと思ってください。


トピックで決めるのは少しわかりにくいので、素材の難易度で考えればわかりやすいです。思ったよりもずっと簡単なものでいいですよ。

その簡単な英語をスラスラ言えるように目指します。

簡単な英語をいかに使いこなせるようになるかがスピーキング力UPの最初のステップです。

もし質問者さんが中級~中上級レベルであるならば、BBC Learning English というサイトの 6 Minute English というコンテンツが音読もしくはシャドーイングにオススメです。


単語について

単語の勉強は英語学習で必須ですね。

ライティング・スピーキング力をUPさせるために単語の勉強で意識することがあります。

それは単語を覚えていく際に「この単語は会話で使えそうかな」と考えながら、自分のお気に入りの単語を増やしていくことです。

それだけでも単語の勉強が一気にライティング・スピーキングに使えます。

例えば、「会話で使えそうだ/使ってみたい」というような単語には単語帳にチェックを入れます。それだけでも少しは変わってきます。

あとは、独自の単語ノートなり単語カードなりにそいういった単語をストックしていきます。

特にスマホの単語帳アプリを使うのがオススメです。

もしAndroidなら「シンプル単語帳」というアプリがめちゃくちゃ便利です。

iPhoneにも他にもいくらでもそういう単語帳アプリはありますよ。

これは使えると思って書きためた単語をフラッシュカード式で日→英で反復練習すると定着しやすいです。

定着した役に立つ単語は書くときにも話すときにも使えるようになります。


文法について

文法の勉強はどのようにしていますか?

たくさん文法の問題を演習するというのも大事な過程かもしれませんが、もしそうしているのならいったんそれを辞めるのもいいかもしれません。

その代わりに、「その勉強している文法事項が使われている例文を片っ端から覚えていく」という作業に変えてみます。

例文を身に付けることで、その例文に含まれる文法事項は勝手に体に染み込んで使える形で覚えられる。そして覚えてしまった例文多ければ多いほどライティングでもスピーキングでも英語の引き出しが増えます。結果としてどちらのスキルの向上にも繋がります。

ということで、

「なにか例文の暗記を始めたほうがいいか」とのことでしたが、以下がその答えです。

例文は覚えれば覚えるほど書く話すで英語の引き出しが増えます。なので始められたら良いと思いますよ。それ自体がどうじに文法学習にもなります。


ちなみに厳密に言えば「例文を覚える」というよりは「日本語を見たときに即座に英文が口から出てくる」レベルに例文を持っていくと考えてください。つまりは瞬間英作文です。

例文の多くを瞬間英作文できるレベルまで落とし込みましょう。

例文の暗記/瞬間英作文にオススメのものは以下のどれかもしくは両方です。




「瞬間英作文」と言えばこれですかね。これをこなせば会話での瞬発力も鍛えられます。


もうひとつがこの「毎日の英文法」です。個人的にはこちらのほうがオススメです。




余裕があれば2冊ともチャレンジしたらいいと思います。

一冊目の本はかなりメジャーですね。名前の通りで「瞬間英作文」に特化しています。まずはこれから瞬間英作文に取り組む人が多いですよ。ただし例文は少し機械的だったりもしますが、瞬間英作文の入門にはかなり良いです。

二冊目の「毎日の英文法」はそのぶんバランスが取れています。例文がかなり自然で量も多いですし、難易度・デザインともに瞬間英作文にも向いています。なので例文学習にはこの本さえあれば一冊目はなくていいのかなとも思いますね。

関連記事:「毎日の英文法」は瞬間英作文にオススメの教材!

もし質問者さんの会話レベルが中上級程度であればこれら2つは必要ないと思います。

もしも上の2つが簡単すぎるレベルであれば、例文学習には「完全マスター英文法」がオススメです。実際にぼくはこれを例文学習に使っています。



ただし7000個と圧倒的に例文が多いので取り組むのにはそれなりの覚悟がいりますが、使える表現や単語の宝庫なのでそういったものを書き留めておくだけでもかなり表現力の幅が増えると思います。

関連記事:「完全マスター英文法」は英会話習得に必要なすべてが網羅されている。

これも同じように気に入った単語や表現は「シンプル単語帳」というアプリにストックしています。

とりあえず例文学習に関しては上の3つのどれかを使えばどの英語レベルにも対応できます。


中学校の教科書や英検の問題

これもすごくいいと思いますよ。

音読と暗唱どちらにも使えます。

とくにスピーキング、つまり「英会話」を目的に勉強する場合、中学校の教科書は侮れないと思います。

あのレベルの文章は会話で実際によく使う表現や単語だらけですよね。

ああいう文章レベルの英語がスラスラ出てくればスピーキングにも活きてきます。



1つだけ問題があるとしたら、中学校の教科書でモチベーションが維持できるかどうかですかね。

ぼくなんかは市販の参考書が好きなのでどうしてもそっちのほうがやる気がでます。

これは好みの問題なので、気にならなければ全然OKです。


英検の問題もいいと思いますよ。

会話力を上げるために活用するのであれば英検のリスニング問題を音読やシャドーイング、暗唱に活用するといいですね!


英検にはどの級にも日常会話的なリスニングのパートがありますが、英会話のためにかなり使えると思います。

これももちろんレベルによりますが、

準2級~2級をうまく活用すればかなりスピーキング力はつくんじゃないかなと思います。

このレベルのリスニングの素材がスピーキングの英語として一番参考になると思います。


もしそれが充分にマスターできれば準1級に上げていけばいいです。

リスニングの会話形式の問題は英検に限らずですがかなり教材としての価値があります。

とくに英検はレベルが7段階まで細かく別れているので自分にぴったしのレベルのものを集中して音読やシャドーイング、暗唱に使えるのがいいですね。


文章の暗唱ならスピーチ練習も!


あるトピックについて1分間で英語で話すトレーニングをします。

1分間だとそこそこまとまった量の英語を話すことになりますが、それができるトピックをじわじわ増やしていきます。



以下がそうすることで得られる効果です。

・そのトピックに関しては充分に英語で意見を言えるようになる

・スピーチそのものがスピーキングのトレーニングになる

・必要な表現に出会えそれが使えるように

・ライティングにも繋がる


スピーチというと馴染みがないかもしれませんが、要するにこれが暗唱トレーニングに当たります。

英検のリスニング素材や中学校の教科書も暗唱に使えますが、それらは音読やシャドーイングに一番向いています。

日常会話ではなくスピーチ的な内容のものほど暗唱に向いています。

そういった内容のあるものの暗唱が、自分で英語で意見を言うトレーニングになります。

これも教材として使えるものを紹介しておくので参考にしてください。


もし英会話初級レベルであればこちらです。



こちらであれば個人に関する質問や日本のことなど、身近な話題の質問がたくさんあるのでこの本に載っている質問をすべて1分間で答えられるようにすればいいです。

ちなみに絵を見て英語で描写するパートなどもあります。

TOEICのSWテストを意識しているのかもしれませんね。もしスピーキングテストを受けるとしたら、そのとき役立つスピーキング力もつきますよ。


中級者以上なら「英語で話す力」がオススメです。

スピーキングを鍛えるためにはこれがかなりいいです。もちろんライティング力も同時に上がります。



「田舎暮らしVS都会暮らし」「オンライン授業VS従来の授業」「英語教育を始めるのは小1からがいいか」

というような実際の会話でありそうなトピックから少し社会的なトピックまで幅広くカバーされています。

47個のトピックがあって、それぞれのトピックに賛成・反対・中立の3つのサンプルスピーチが書かれています。

どんな内容のものがあるかはリンクからアマゾンのページで確認してみてください。画像に目次が載っているのですべて確認できますよ!

それぞれのサンプルスピーチの長さはどれも1分程度です。

長すぎず短すぎず、内容はきちんと詰まっているので英語の暗唱にはかなり相性がいいです。

賛成・反対・中立の中から自分の考えのものを1つ選んでそれを暗唱トレーニングしていけばかなりスピーキング力がつきます。

これを暗唱できるようになれば英語で話すのはけっこう楽になるんじゃないですかね。

ちなみにこれを暗唱してスピーチのトレーニングをしていれば英検の上位級の面接にも対応できるようになります。

本当にこの本はクオリティ高いです。

この教材のトピックを暗唱もしくは自分の言葉でいいのでスピーチできるようになれば、後は教材は使わずに自分で色んなトピックを収集して英語で話す練習をしていけばいいと思います。

ちなみにこれなら一人でも英語スピーキングのトレーニングができますね。


以上になりますがどうでしたか?

今やろうとしていることはどれもかなり良い勉強だと思いますよ!

なので心配せずに今考えていることを試してみてはどうでしょうか。

うまく答えられたかどうかわかりませんが、参考になれば嬉しいです。

この記事を少し簡単にまとめてみますね。


・単語学習

使えそうな語彙をストックする習慣→反復練習

・音読やシャドーイング

中学校の教科書や英検準2級~2級のリスニングの会話問題はぴったし

・文法学習

これは例文学習にしてしまう→そのものが文法学習にもなる。例文学習は英語で話す書くの引き出しを増やすイメージ。

・1分間スピーチ

つまりこれが暗唱トレーニングに。1分間というある程度まとまった量の英語で話せるものが増えていくにつれて英語を話すのが楽になります。まずはレベルによって上記のどれかの教材から始めてみてください。


最後に、メッセージありがとうございました!これからもどうかよろしくお願いします(^_^)

他にも質問や相談など受け付けていますのでぜひ。