この記事の対象者:英語で話すことにある程度慣れており言いたいことはなんとかほとんど伝えられるぐらいの学習者



英語を話すのに慣れてきた頃に陥りがちなことがあります。

英語をある程度話せるようになってから、それまでしてきたように英語を話す機会を確保し練習をしているにも関わらず、そこから先は伸び悩んでしまうんです。

これはインプット量がアウトプット量に追いついていないから。

英語をある程度話せるようになってくると、アウトプットのみに意識が向かいがちになりインプットが疎かになることが多いんです。


アウトプットはもちろん大事ですが、それと並行しながら意識的にインプットしようと努めないと、新たな表現の幅があまり広がらずにそのまま伸び悩んでしまいます。


で、なぜいつの間にかインプットが疎かになってしまうのかというと、

英語で言いたいことはどうにかしてほとんど全部言えてしまうから

だと思うんです。

実はぼくもこれをすごく以前から感じていて、去年の夏頃から意識的にインプットを増やしています。


「言いたいことはなんとか言えてしまう」というのはもちろん良いことなのですが、

このせいで、英語で話した後、言いたいけど言えなかった単語というのが拾いにくくなります。言えない単語があっても知っている単語を駆使して話せてしまうので、何がうまく言えなかったか思い出しにくい。

さらに、ある程度は話せてしまうので、知っている単語のみを駆使して話せば伝わるしもうこれでいいという妥協というか甘えが出てしまうんです。

その結果、新たな語彙や表現を身につけるモチベーションが上がりにくく、チャンスを逃しがちになると思います。


あ、もちろん知っている単語を駆使しながら話そうとするのはめちゃくちゃ大事ですよ。

実際にぼくはいつもそうするように言っています。なのでまずは初級の人はそこを目指しましょうね。この記事の内容は中上級者向けです。


言いたいことがなんとか言えてしまうということについて、少し具体的な例を挙げてみます。

Experts say it takes 66 days for a new habit to bed in.
(BBC Learning English の6 Minute Englishより引用)

「専門家によると、新しい習慣が馴染んでくる(定着する)のは66日かかるらしい」
と言いたいときに、この文脈での「馴染む」はどうやって言うんだろう。

※ちなみに、単に日本語で馴染むと一言で言っても文脈で意味は変わりますよね。なので「○○は英語で何って言うの?」という質問は実は非常に答えにくいことが多いんです。

関連記事:「〇〇って英語で何って言うんですか」という質問に答えるのは実はそう簡単ではない理由。


さて、この文に使われているBed in を知らなくても、同じことはいくらでも言えてしまいます。

例えば、

Experts say it takes 66 days until a new habit becomes normal and you feel better.

Experts say a new hobby becomes normal and you feel comfortable with it after 66 days.


このように、すでに知っている単語を使って問題なく表現できてしまいます。少し前にも書いてある通りで、これは英語を話す上ですごく大事な発想というか能力なんです。

ただし、スピーキング力が上がってきてこれが自然に出来るようになってくると、このbed in という表現があることに気付きにくくなります。

だって深く考えなくてもこうやって言えてしまうわけですから。

もし少し考え込んでしまったとしても、何とか言えてしまいます。

なので後から、今日は何が言えなかったっけ?と考えたときにそのことについて覚えていないんです。

ここで、うーん、、なんていうのかな、、とずっと考え込んでしまう人は、後でインターネットや辞書などでピッタシな表現を探して見つけるのでしょう。

ただし、先ほどもいった通りで、ずっと考え込んでしまう人は知っている単語を駆使しましょう。



解決策

とにかく少しでも表現するのに詰まったりしたことは、もっと簡単に言える方法はないのかと考えてみることですかね~。

普段の会話でメモなんて普通は取らないと思いますが、できることならその瞬間にメモをして後から一気に調べたり。

ただ、スラスラっと言えてしまうせいで気付かないことすらあります。

自分が何をもっと簡単に言えなかった気付かないのはもうしょうがないので、後はインプットの時間を確保し、地道に表現をストックしていくしかありません。

一番のオススメは例文学習です。質の高い大量の例文に触れるのが一番簡単です。使えそうな表現はノートに記録したり単語帳アプリを使ったりしてまとめます。

例えば例文学習は、最終的にこれをこなせばかなり表現の幅が広がりますよ。

とても良い例文ばかりでその数7000もあります。。どんなレベルの学習者が使っても絶対に役立つ表現にいくらでも出会るはずです。



次は、洋書や洋画を見るのがオススメです。

基本的には好きな分野や種類のものを選んで楽しむのがいいんですが、スピーキングに活かしたいのであれば、日常的なトピックのものがいいですね。

洋書はずいぶんと楽に読めるレベルのものが良いですよ。洋画だとラブコメディなんかもいいですね。


たくさんありますが、洋書ならこういったものがオススメです。

Wonder
R J Palacio


この洋書は英語学習者の間では鉄板ですね。それぐらい良い本ですよ。この本から洋書デビューする人も多いみたいです。

主人公Augustの日常が、主人公視点で書かれてあるので、スピーキングに役立つ表現はたくさん拾えます。しかも超読みやすい。ぼくも今これを読んでいるところです。


洋画だとLove Actually とかがいいですね。

ラブ・アクチュアリー [DVD]
ヒュー・グラント
2017-06-30


これは超お気に入りの映画です。現在シャドーイング中。おもしろい表現の宝庫です。

内容も本当に素晴らしいです。世界中で人気な理由もわかりますね~。


洋書も洋画もスピーキングのための学習素材として使う場合は、ただ漠然と見て受動的に楽しむだけではなく、こちらから積極的な姿勢で使っていきましょう。

常に「便利な表現や単語はないか」「これいいじゃん!使ってみたい」というようなことを意識しながら楽しむ。

そうすると、使えそうな(使ってみたい)ものや便利な表現に意外とたくさん出会えることがわかると思います。

そこで拾ったものをどこかにまとめておくんです。そしてそれをインプットしてきましょう。

こういった作業を繰り返すことで、少しずつ英語の表現力がついていくはずです。後はインプットしたものを実践で使用する。結局はこの繰り返しですね。

ぼくも頑張りたいと思います。