今回は英検準1級の対策についてです。
今まで1級と2級の記事を書いてきてたくさんの反響がありました。そして今回はついに準1級!
ではさっそくですが見ていきましょう。
効率よく合格するには適切な教材選びとそれらの使い方、そして計画立てが大事です。なのでまずは作戦を練って必要なものを準備していきます。
語彙とライティングを優先
英検2級に合格している人が最短の3ヶ月で合格を目指すには、ずばり語彙とライティングが一番大事なので、それら2つを中心に対策していきましょう。その次に大事なのがリスニングで、リーディングの優先度は一番低いです。
まず語彙が大事な理由は、準1級からは第一問の語彙問題25問の難易度がぐっと上がるので、ここで点数を稼ぐことができると他の受験者と差別化しやすいからです。
英検2級の語彙問題のレベルは英語センター試験で頻出レベルとちょうど同じ、つまり高校英語レベルなので、特別な対策がなくてもそれなりに点数は取れることが多いです。
ですが、準1級からは語彙問題は高校英語レベルの範囲を超えてくるので、知っているか知らないかの世界です。ただ高校まで英語の勉強をしてきただけだと見たことのない単語がほとんどのはずです。
ただし、もし高校生だとしても英検準1級の語彙は覚える価値はあります。早稲田や慶応といった難関私大や、国立大学の二次試験の読解でも準1級の語彙力を持っていればかなり心強いですよ。
語彙問題に関しては本当に知っているかどうかの世界なので、知っていたら楽勝で得点できます。単語はしっかり覚えましょう。
逆に、単語をしっかり覚える前に読解をたくさんしても、知らない語彙が多いので効率が悪いです。語彙力をつけるとそれだけでぐんと文章が読みやすくなります。なので、読解練習は後回しでまずは語彙を増やしていくのが効率的です。
そしてライティングですが、普段から文章を書かない人がいきなりやるぶんにはなかなか難しいと思います。ただし、ライティングは対策をすればするぶんすぐに結果として表れやすいです。英作文はたった一問の出題なのに、4技能の点数は均等に換算されるので、なんと一次試験の配点の1/3をも占めることになります。ここに注力すると合格は一気に近づきます。
もちろんリスニングも大事なので並行しましょう。リーディングに関してはガンガン解きまくるよりも語彙力をつけるほうが第一問の対策になり文章も読みやすくなるので、効率が良いので後回しです。
単語学習と英作文を軸にリスニングの対策。読解は予想問題もしくは過去問の演習のみでOKです。
語彙対策はこうしよう。
まずは単語帳選びも意外と大事です。とりあえず旺文社のパス単でいいや~!って人もいますが、こちらを使うのが一番良いでしょう。
他には「究極の英単語の上級」もレベル的には英検準1級+アルファぐらいなのでオススメします。ただし、効率よく準1級の語彙対策に特化したい場合はこちらの単熟語EXが最強です。もちろんパス単も王道ですが、こちらをオススメする理由をまとめてみます。
・データが最新なので信頼できる(2016年)
・掲載数がパス単よりも豊富
・第一問(語彙問題)に正解の選択肢として出てきたことのある単語にはピンのマークがついているので、重要単語が一目でわかる
・例文がシンプルで覚えやすく、そのまま会話にも活かせそう
・デザインが綺麗で見やすいので学習意欲が高まる
・音声がダウンロード可能(これはパス単もです)
というように良いところだらけです。特に素晴らしいのは語彙問題で正解の選択肢として出てきた単語にピンマークがついているところです。超大事な単語と意識するだけで覚えやすさもかなり違うと思います。
データが最新なのも最新の傾向も捉えているのでやはり良いです。旺文社のパス単もいつか改訂するのでしょうかね。
例文の質もかなり良いですよ。音声は「単語→日本語→例文」というように読まれるので活用しやすいですね。
単語の覚え方①
3ヶ月の短期間で覚える方法ですが、こちらの記事に以前詳しく書いているので、それを使います。
関連記事:単語を短期間でたくさん覚える方法
これを簡潔にまとめると、
1日に200語を確認すると5日で1000語に出会えます。これで1周です。6日目からは最初の200語に戻ります。
要するに、1ヶ月で(200語×5日=1000語)を6周します。同じ1000語に1ヶ月で6回出会える計算です。短期間で同じ単語に出会う頻度を強制的に増やすことで記憶に定着させる方法です。
単語は出会う回数によって定着度が増していきます。
ぼくはこれで単語をたくさん覚えました。1~2周目はしんどいのですが、4~5周目にはけっこう覚えていることに気づくはずです。6周目にはほぼ完璧になっているでしょう。
これだと3ヶ月で3000語なので1冊なら余裕でカバーできます。
英検準1級の単熟語EXだと掲載数は2400語なので、(1日200語×4日=800語)を1ヶ月で7~8周のサイクルでもいいですね。これだと3ヶ月で2400語ですし、同じ単語の周回数も増えるのでさらに定着しやすいですね。
単語の覚え方②
こちらはあるフォロワーさんの語彙の勉強方法で、確かにこれもいいなとぼくが思ったものです。自分が試した方法ではないのですが、①と同じぐらい良いと思うので紹介します。①と②は自分に合うと覚え方を選べばいいですよ。
これはまず1週間に覚える単語数を決めてしまいます。そしてそれを1週間毎日音読して、次の週にはまた新しい単語に進むというやり方です。
1週間に繰り返す単語の数を少なく設定するほど定着度は増えます。ただし少ないと単語帳1冊をマスターするには時間がかかります。このへんのバランスを考える必要がありますね。
時間をかけてもいいのでじっくりマスターしたい人はこちらが向いています。
例をいくつか挙げておきます。
1週間で200語(同じ200語を7日間毎日音読します)、1ヶ月で800語。これを3ヶ月繰り返すと2400語に到達します。
もしくは
1週間で150語(同じ150語を7日間毎日音読します)、1ヶ月で600語。これだと3ヶ月で1800語です。
あるいは
1週間で100語(同じ100語を7日間毎日音読します)、1ヶ月で400語。これだと3ヶ月で1200語です。
これらは自分にあとどれぐらい時間が残っているのかを考えて逆算して決定すれば良いです。
1週間で繰り返す単語は少ないほど1つひとつが覚えやすいですが、時間もかかるので、この辺は必要に応じて調整しないといけませんね。
その他単語を覚える上で知っておくこと
単熟語EXを使う場合、音声は必ずダウンロードして使いましょう。
「単語→意味→例文」で読まれるので、音声を聞きながら単語帳に目を通します。そうすることで、たんたんと良いペースで進められます。
そして①と②どちらであろうと大事なことは、1回で覚えようとする必要はなく、暗記するというよりは、出会う頻度を増やすことに意味があるということ。最初の方は知らない単語ばかりですが、サイクルの後半になるにつれて知っているものが増えていく感覚は楽しいですよ。
一番好ましいのは、その日に見た単語を寝る直前と起床直後にも確認することです。確認作業なのでサラッとでいいです。時間もかからないので習慣化したらそこまで負担にはなりません。寝る前に見たり考えたりしたことは寝ている間に記憶が優先的に整理されるので定着しやすく、起床直後に確認することによってさらに記憶が深まります。
英作文対策
ライティングは語彙と同じぐらいめちゃくちゃ大事です。一見取り組みにくいようにも思えますが、これ1冊をしっかりこなせばまったく問題ないです。それほど質の高い本なので、英検準1級受験者にとってのMust-have item と言えます。
英検1級でも同じようにこのシリーズは必須で、ぼくもお世話になりました。1級受験者のほとんどの人が愛用している本ですが、準1級でも最近ようやく登場しました。これは嬉しい!
良いところをまとめると、
・最初の章に英作文に必須の表現と例文をまとめてくれている
・各トピックの論点が一段落ぶんの塊で紹介されている(ここが本のメインで売りにしている部分)
・予想問題も豊富(もちろんサンプルエッセイも全てあります)
とにかく英作文に関しては語彙学習のように特別な方法を考える必要はなく、ただ忠実にこの本を1冊こなせばそれだけでかなりの力がつきます。
一番良いのは各トピックの論点が一段落ぶんの塊で紹介されているところです。ライティングで問われる必要な論点や知識は一通り身に付くのはもちろん、英文の質が良いので表現力がかなり着きます。
特別難しい表現や複雑な構文が使われているわけではなく、割りとシンプルな英語で色々なことが的確に表現できることがわかると思います。自分が話したり書いたりする英語としてとても参考になる良質な英語なので、対策を通して英語の表現力は確実に高まります。
音声つきなのでシャドーイングして何回も声に出すことによってリスニングやスピーキングの勉強にもなるので、ぜひそうしてください。
オススメの使い方としては、まず最初の章で必要な表現や定型文を確認しておきます。これはなるべく早く1日や2日で済ましてしまいましょう。
あとはメインの章となる、各トピックで使える論点が一段落の塊でたくさん紹介されているところです。
1日でやる量を決めてしまいましょう。まずは熟読して意味や構造をしっかり確認。どんな風な英語で表現されているかにも意識を向けてみると勉強になりますよ。熟読したら次は、何度か音読して口に落ち着けます。
書くのも良いですが、それだと時間がかかりすぎてしまいます。これも単語と同様に回転率を上げることが肝心だと思います。書くのは演習問題でできるので、とりあえず各論点の塊(本ではコンテンツブロックと呼ばれています)は何度も音読なりシャドーイングして記憶しましょう。
コンテンツブロックをしっかり学習できたら、あとは演習問題で実践するのみ。本の通りに進めていけばなんら問題はありません。
ぼくならライティング対策はこういうプランでいきます。
1か月目:コンテンツブロックすべてを3~4周する。
2か月目:1日に1題問題演習。(全部で24題なので24日で終わります)
3か月目:もう一度問題演習をしたりコンテンツブロックに戻ったりと微調整
1か月目のコンテンツブロックについては、熟読して確認&理解→音読(もしくはシャドーイング)数回→瞬間英作文と同じ要領で対応する和訳から英語で言ってみる(これは必須ではないので音読までの段階までやればOK)
2か月目に関してはコンテンツブロックの実践です。実際に英作文を書いてみて、解きっぱなしではなく模範解答を見てみます。そしてそれを何度か音読して自分の物にします。これを毎日続けていきます。
その日に解いた英作文問題のサンプルエッセイはYesかNoか自分の好きなスタンスのほうを暗唱できるようにたくさん声に出して読みます。自分で話せるということは同じ内容であれば書けることにもなりますので、模範解答書き写しというよりは、やはり声に出しましょう。面接にも活きますね~。
3か月目に関しては、もう一度問題を解いてみたり、コンテンツブロックをもう一度復習してみたりと、微調整していきましょう。2か月目が終わった段階でかなりの力はついています。
ぼくなら実践問題のサンプルエッセイの暗記作業(暗唱)に使いますかね。
とりあえず英作文に関しては、自分でコンテンツブロックの1日のペースを決めるぐらいで、あとはぼくのプラン通りにやるだけで余裕で戦えるようになりますよ。
暗唱作業を取り入れてますが、似たようなトピックが出たときに余裕で書けるし、スピーキングの特訓も兼ねることができます。面接でもかなり有利だと思うのでほんとうオススメです。
時間がある方はこちらの記事も読んでみてください。準1級のライティングに関してさらに細かくまとめています。
関連記事:英検準1級のライティングを知ろう!内容と書き方&対策と勉強法をすべてまとめたよ!
時間がある方はこちらの記事も読んでみてください。準1級のライティングに関してさらに細かくまとめています。
関連記事:英検準1級のライティングを知ろう!内容と書き方&対策と勉強法をすべてまとめたよ!
次にリスニング
リスニングに関しては少しずつ問題演習を行っていって、本番までに問題集を最低一通りこなせばOKでしょう。
とりあえず本番までに一通りこなすこと、1日に解く問題数は少なくてもいいので少しずつ無理のないに進めていきましょう。
本当に少しでいいので毎日欠かさず聞く習慣をつけ耳を慣らすことが重要です。
聞いた英文は、音声が聞こえるようになるのはもちろん、そのままシャドーイングの練習に使いましょう。
これも3ヶ月(もしくはその他割くことこできる期間数)に応じて1日に解く問題数を決めてしまい、毎日聞く習慣をつけることが大事です。
リーディングはどうするの?
これは最初に言った通りで、読解問題は優先度が一番低いです。
もちろんライティングや語彙、リスニングと並行して読解問題も毎日できるに越したことはないと思いますが、時間も限られているし少し難しいかもしれません。
でもその場合は気にしなくていいです。本番を想定しての過去問や予想問題を解くことがそのまま読解対策になります。それで充分です。
まず単語力が増えたら読解力も比例して上がるので、準1級では単語対策そのものが読解対策にもなると言えます。
それでも毎日読解問題にも力を入れたい人は、問題集を購入すれば良いですね。
ただし、読解問題集は必需品ではないかな。過去問などを解くなかで練習しましょう。単語とライティングは必ず必要です。
直前は過去問もしくは予想問題
本番まで残り日数が少なくなってきたらあとは本番を想定した演習をして形式に慣れましょう。
過去問を解き始めるのは、語彙をある程度覚えてからがいいでしょう。なので、必然的に問題演習を始めるのは早くて1か月前、遅くて2週間前くらいになります。
なぜ語彙を覚える前に問題演習を始めないかというと、それだと効率が悪いからです。
語彙があやふやだと最初の語彙問題もまともに得点できないし、読解も少し難しいかもしれません。
正解ができない問題をずっと解いてもあまり意味がありません。
それよりは、しっかり語彙やライティングなど技能別にそれぞれの対策を個別にしっかりしてから、それを確認する場として問題演習に挑みます。
なので過去問演習も必然的に、後回しになります。対策したことの実践として活用しましょう。
正直言うと、各技能(特にライティングと語彙は優先的に)をしっかり対策できていれば過去問はそこまで必要ではありません。
ぼく自身英検1級は予想問題の読解パートの1回ぶんしか演習しませんでしたが、問題なく合格できています。ちょっとお金を無駄にしてしまいましたが。。
これは自慢ではなく、問題演習の前に対策を充分にできていれば勝負はほとんど決まっているということです。
ただ、もちろん問題演習もしないよりはするに越したことはないので、余裕をもって本番までに何回かは問題を解けるようにしておきましょう。
準1級対策まとめ
1ヶ月目
・語彙を覚える
・英作文のコンテンツブロック
・リスニング
2か月目
・語彙を覚える
・英作文の予想問題
・リスニング
3ヶ月目
・語彙を覚える
・英作文の微調整
・リスニング
・問題演習(残り2週間)
語彙に関してはこの記事に書いたやり方の①か②で自分に合った方を選び、自分が決めたペースで受験まで毎日継続的に行います。1日20~30分もあれば可能でしょう。それができないのは甘えです。
ライティングは1か月目でコンテンツブロックをなるべく周回します。語彙学習でもサイクルがありますが、それと同じ要領です。
2か月目は1日1題問題演習を行いその日に書いたトピックのサンプルエッセイを暗唱。
3か月目からは微調整期間なので自由に苦手を対策しましょう。サンプルエッセイの暗唱作業がいいと個人的に思います。
リスニングは1日数問でいいのでなるべく毎日聞いて耳を慣らします。本番までに問題集を1周はしておきたいところです。もし早い段階で1周してしまったのならばシャドーイングに使用したりと再利用しましょう。1度聞いたことのある英語ならば内容を理解しているので移動中の聞き流しも効果的です。
これらすべてが充分にできて初めて問題演習に入ります。本番2週間前に始めればばっちしでしょう。
ということで、これで準1級対策はすべてになります。この記事の通りにしたらかなり戦えるので、信じて頑張ってみてください。
語彙とライティングがめちゃくちゃ大事ですよ~。
コメント