今回の記事は英検準1級の英作文の対策と勉強方法について。

2級との差を大きく感じる人も多いと思いますが、準1級のライティングも充分に対策は可能なので、しっかりと準備をして臨みましょう。

ライティング力をしっかりつけておけば、合格がグッと近づきます。もちろんライティングだけが大事というわけではないのですが、合格の大きな鍵を握っているのは間違いありません。

この記事1つを読めば、準1の英作文はどのような問題なのか、どんな構成でどのように書くのか、勉強方法など、ライティングに関してはすべてわかるように書きました。なのでそのぶん少し長くなりますが、よければしっかり読んでください。

以下のことについて書いています。


1.なぜライティングが大事なのか

2.準1級の英作文の内容

3.英作文の構成

4.使える定型文

5.英作文対策の教材

6.勉強方法

7.学習プラン

8.記事の内容まとめ



なぜライティングが大事なのか?

受験者なら誰でも気になる合否に関する観点から言うと、ライティングに力を入れると高得点が取りやすいからです。

具体的に言うと、リーディング問題は語彙も含めて合計41問、リスニングは27問ありますよね。ですがライティングはたった1題だけです。

英検は各技能が均等な配点に換算されるので、ライティングのたった1題がリーディング41問、あるいはリスニング27問と同等の重みがあることになります。

なので、たった1題しかない英作文でつまずくのはかなりまずいですが、逆に言えばここで高得点をとっておけば合計はかなり近付きます。

2つめの理由として、準1級のライティングに力を入れておくと英語でのアウトプットの力が向上するからです。

ある程度まとまった量で自分の意見や考えを英語で表現することは、そのまま英語を話すのにも活きてきます。このことに関してはこの記事の勉強方法のところで少し触れています。



準1級の英作文の内容

準1級のライティングでは、教育、社会・経済、健康などの分野からの出題が多いです。ほとんどが社会的かつ生活に身近なトピックなので、まったく考えが浮かばないという心配はないでしょう。

必要な論点も問題用紙に提示されています。

論点が提示されているということは、どういったことを書けばいいのか、つまりアイデアはすぐに思い浮かぶはずなので、特別深い知識が必要というわけではありません。

それより大事なのは、その論点をどのようにまとまった分量の英文として表現するか、どうやったら論理的に伝わりやすく書けるかといったことです。



英作文の構成はこれで決まり

英検準1級の英作文の語数制限は120~150words です。これに満たなくても越してしまってもいけません。ということは、自ずと文章の構成やバランスは決まってきます。

ちなみに、実際に自分が書くときは語数は130~140words を目安にするといいでしょう。

準1級の英作文では、問題用紙に論点がいくつか示されていて、その中から2つ使って書くように指定されています。なのでライティング構成は以下の1パターン(4段落構成)しかありません。


①Introduction 

②Main body 1

③Main body 2

④Conclusion 


段落構成は2級の英作文のときと変わりません。語数指定が増えたので、それぞれの段落で語数を増やすと準1級の英作文ということになります。

語数も段落ごとでだいたい決めておくと、バランスの良い英文ができます。


Introduction (20words)

Main body1 (40~50words)

Main body2 (40~50words)

Conclusion (20words)


必ずしもそれぞれの段落でこの語数内に収める必要はありませんが、これぐらいの語数を目安にすると書きやすくなります。

ただし、メインとなる段落2つは最低40words を下回らないほうがいいでしょう。

Conclusion に関しては、少し語数を減らしたり増やしたりして合計の語数が120~150words内に留まるように調整します。



ライティングの型を身につけよう!

Mainの段落2つにしっかりと時間を使えるように、Introduction とconclusion ではテンプレートを用いるのも1つの手です。

これは以前2級のライティング対策でも紹介しましたが、準1級でもそのまま同じものが使い回すことができるので紹介したいと思います。

①Introduction 
②③Main body
④Conclusion 

それぞれの段落で使える定型文は以下です。


①自分の意見を述べる(Yes/No)

Personally I think that ~

Although some people argue that ~(自分と逆の意見), I personally believe that ~(自分の意見).

I agree / disagree with the opinion that ~.

I strongly believe that ~ for the following two reasons.

※personally やstrongly、for the following two reasons などはそれぞれの定型文でもちろん自由に組み合わせてもOK。


~に英作文のお題を当てはめればできるので、introduction は30秒ぐらいですぐに終わらせることができます。

これらの定型文をあらかじめ頭にいれておけば、Introductionは何も考えずに書けるのにも関わらず必要な語数にもしっかり達しますし、なんせ自分のスタンスがはっきりと伝わりやすいので、良いことだらけです。


(例)Topic: Do you think that online courses will become more common in the future?

(Yesの場合)

I agree with the opinion that online courses will become more common in the future for the following two reasons. (20words)


(Noの場合)

Although some people argue that conventional education is better than online education, I personally believe that online courses will become more common in the future. (25words)


どうですか?定型文をYes/Noの立場でそれぞれ1つずつ使って書いてみました。上記のようにテンプレートに沿って書くとしっかりまとまっている上に主張がはっきりしていてかなりわかりやすい文になっていると思います。


②③メインの段落(具体的な説明)

Firstly, ~.

Secondly, ~.

The reason why I think ~ is that~.

For example/instance~ (具体例を挙げるとき)



④結論を言う(もう一度主張を)

For these reasons mentioned above, I think that ~.

For these two reasons, I strongly believe that ~.

~はintroductionと同じ自分の主張をもう一度繰り返します。余裕があれば少し単語あるいは語法を変えて言い換えてみましょう。時間的に余裕がなければintroductionの~の繰り返しでも問題ないでしょう。

定型文があるのでConclusion も一瞬で書けます。

ここまで書いてきた構成と定型文を頭に入れておくだけで、ある程度それらしい英作文が書けるようになります。



オススメの英作文の教材

英作文の対策といったら、これは必須です。英検合格者の多くが使っているかなり質の高い参考書。

英検1級の合格者はほとんどの人がこれの1級バージョンで英作文を対策しライティングで高得点を取っていますが、ぼくもその一人です。1級に遅れて、ようやく準1級バージョンも出ました!これは使わない手はありません。

この記事で紹介する勉強方法はこの教材を使う前提で書かせてもらいます。その前にこの教材の内容を紹介しておきます。


1.英作文についての概要が紹介されている。

このブログ記事でも英作文については全て一通りわかりますが、もちろん本にもしっかり概要が書いてくれているので、まずはさっと目を通しておきましょう。


2.英作文で使える表現と例文

この記事内では主にIntroduction とconclusion でどんな問題でも使い回せる定型文を紹介しました。

この本ではそれ以外にも意見を述べるときに使える表現がたくさんまとめられています。一通り目を通すと表現の幅が広がります。お気に入りの文の型を見つけましょう。


3.役立つコンテンツブロック

この教材のメインとなるのがこのコンテンツブロックの章です。これがこの教材の一番のストロングポイントです。

どんなものかと言うと、教育や社会・経済などといった準1級の英作文問題に頻出トピックに関する知識が、Main body の一段落ぶんの塊としてこれでもかというぐらい紹介されています。

コンテンツブロックを何回も読み込むことで、英作文で必要な知識や論点、主張の展開の仕方などがすべてわかります。おそらくこれを超える教材は今後ないでしょう。

この塊は一段落ぶんの塊なのでそのまま英作文に使えてしまいます。


4.問題演習も充実している

最後は問題演習もついていますが、これも問題数が豊富で充実しています。

24問あって、それぞれの問題ではYes / No (もしくはagree / disagree)の立場のサンプルアンサーがついています。

サンプルアンサーのMain body はもちろんコンテンツブロックで紹介されたものがそのまま使われています。しっかり読み込んできたコンテンツブロックを実践として活かせるようになっています。

24問もやっておけば、その中から似たようなトピックが必ず出ますし、多少違ったものができても同じような論点が使い回せることが多いので、ほぼすべての問題に対応できます。


これほどいい教材は他にないので、これを手にいれることを強くオススメします。では次はそれを使った勉強方法と勉強プランを紹介していきます。



勉強方法

この記事ですでに準1級のライティングがどのようなものかはわかりましたが、勉強を開始する前に一通り目を通しておきましょう。使える例文についても同じです。これらは1日でサッと流す感じで構わないので準備として終わらせておきます。

あとはコンテンツブロックをメインに勉強を行っていき、問題演習で定着を図ります。まずはコンテンツブロックの勉強方法を詳しく見ていきましょう。


コンテンツブロックの勉強方法

まずは1日にこなす分量を決めておきましょう。1ヶ月でコンテンツブロックのすべてを3~4周ほど回せるぐらいで分割して決定することを推奨。それでは1日にコンテンツブロックに関してやることを順に説明していきます。


1.まずはしっかり熟読

しっかりと内容を理解して知識をつけましょう。ここであやふやな表現などがもしあれば、しっかりと調べてあやふやなところがないようにしてください。


2.たくさん音読しよう

熟読してしっかりと内容や英文構成を理解しているのが前提で、それを口に慣らして落ち着けるイメージで、たくさん音読作業を行います。

コンテンツブロックは数が多いので、1つひとつを書き写す作業はあまり効率的ではありませんし、量をこなすのに時間がかかるので、結果として限られた時間内でこなせる量が少なくなってしまいます。

1回書き写す時間があれば代わりに5回しっかり音読して頭に叩き込めばいいです。実際に書く作業は問題演習の実践で行えばOK!

音声がダウンロードできるので、音声も使えばなおよし!シャドーイングしたりオーバーラッピング(音源に被せるように同時読み)すればリスニングとスピーキングの勉強も同時に兼ねることができるのに加え、音声情報が加わることで知識も英語も記憶に残りやすくなります。

ライティングの勉強なので意外だと思う人も、当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、しっかりと音読を行いましょう。


コンテンツブロックに関してはこれをひたすらグルグルと回して1ヶ月繰り返すだけで至ってシンプルです。「熟読して内容理解→音読作業で口に落ち着ける」を1ヶ月で3~4周もすれば嫌でも論点や知識は頭に入るし英語の展開も再現できるようになってきます。

そうなればライティングでの高得点はかなり確実になってきます。



実践問題演習の活用

コンテンツブロックで身につけた知識を実践としてアウトプットするのが問題演習のパートです。1ヶ月でコンテンツブロックを何周か回した後に実践問題に取り組みます。

人によりますが、ぼくなら1日1題をペースにゆったり&丁寧に進めます。


1.まずは問題を解いてみよう。

コンテンツブロックを思い出しながら、どのコンテンツブロックをそのまま使うことができるのか考えながら、なるべくそれを再現することを意識しましょう。コンテンツをそのまま1つの段落に使うことができます。

自分でゼロから考えるのではなく、しっかりと教材で身につけた知識や英文展開をすべて実践することが大事です。


2.サンプルエッセイを確認

いわゆる答え合わせ作業です。メインの段落の2つではコンテンツブロックがそのまま使われていることがわかると思います。

これもコンテンツブロックのときと同じで、しっかりと熟読して内容を確認してあやふやなところがないようにすべて理解しましょう。

1度コンテンツブロックで見てきた&音読してきたものが実際の英作文としてそのまま使われているだけなので、あまり確認に時間はかからないと思います。


3.音読を行いましょう

これもコンテンツブロックのパートとまったく同じで、何度も音読して口に落ち着けます。自分の書いた英文を書き直したり答えを写す必要はありません。

英語学習において実際に口に出す練習は重要です。何回も強調しておきますが、英作文であろうとそれは同じで、しっかりと音読することによってスピーキングに役立つのはもちろん、何回も声に出したものは記憶にも定着しやすくなります。

これもダウンロードした音声を用いることをオススメします。

音声を使ってシャドーイング×3→自分で音読×3ぐらいは最低でもしましょう。ただの発生練習にならないよう意味をしっかり意識しながらやってみてください。


4.暗唱できるようにしよう。

コンテンツブロックとは違うのがこれで、その日にやってみた実践問題のサンプルエッセイで自分にとって簡単なほうの立場のものを何も見ずに口に出して読めるようにします。

暗唱する利点としては、何も見ずに即興で口に出して言えるものは同じように書くことができるということです。

考えを表現するという点において、書くことは話すことの延長線上にあるに過ぎません。話せることは確実に書けます。

スラスラと話せることをハードルとして置き負荷をかけることで、書くことが簡単に感じるようになります。そこを目指すのが理由の1つ。120~150words は暗唱するには最適の長さです。

次に、二次試験のスピーキングでも活きます。意見を問われるような質問に対して、ライティング対策の時点で暗唱を行っておくとかなり楽になります。

暗唱はライティングだけではなくスピーキング力向上にも大きな効果があります。


5.暗唱ができるようになったらもう一度書いてみる。

驚くようにスラスラ書けるようになっていますよ。暗唱の効果が実感できるはずです。

結局は話すことをベースとしておけば、書くことにもかなり応用が利きます。

書いてみたら、また2に戻って、満足できるまで繰り返しましょう。


これを1日に1つのペースで毎日繰り返せば1ヶ月以内にすべて終えることができます。ここまでできればかなり力が付いたことがわかると思います。



オススメの学習プラン

早く始めれば始めるほど余裕が持てていいので、できれば3ヶ月で計画を立てましょう。少なくとも2ヶ月は見ておくといいですね。

この学習プランは2ヶ月~3月計画になります。

勉強法については上記参照。


初日:英作文問題の概要理解&使える定型表現確認

1ヶ月目:コンテンツブロックを3~4周

2か月目:1日1題の問題演習

3ヶ月目:復習&微調整


復習&微調整では、苦手意識のあるところの再度定着を図ったり、本をもう一度一通り音読することを目指したり、自由に過ごして大丈夫です。何より大事なのは、この微調整期間にも毎日英文に触れ続けるということです。

ちなみに、もし2ヶ月計画でいくなら、この復習&微調整を省くようにします。

どうしてもギリギリになってしまった場合は、1ヶ月での詰め込みになりますが、コンテンツブロックと問題演習を同時並行。

さらに、時間に制約がある&ギリギリになってしまった人は問題演習だけ行いましょう。受験までに一通りすることを目指してください。

ギリギリでも実践問題演習を一通りこなせば戦えますが、精神衛生上あまり余裕がないのは良くないので、やはり前もってゆとりを持って計画的に進めていきましょう。



この記事のまとめ

・英検準1級のライティングは、問題用紙に書かれた論点の中からポイントを2つ選んで使うこと&120~150語の語数制限がある。


・段落構成は①Introduction ②Main1 ③Main2 ④Conclusion の4段落構成


・130~140語を目安にして、conclusion で語数を微調整すると良い。


・テンプレートを活用してIntroductionとConclusion での時間短縮&自分の意見を明確に表現。


・教材は英作文問題完全制覇が一番良い。


・勉強方法と学習プラン

1ヶ月目:コンテンツブロックの熟読&理解→音読練習(音声ダウンロード推奨)

2ヶ月目:実践問題演習→サンプルエッセイ確認→音読(音声利用を推奨)→暗唱

3ヶ月目:復習&微調整


・ギリギリになってしまった人は問題演習だけは一通り行うことを目標に!



最後に

この記事は以上になります。英作文は一見掴み所がないように感じてしまうかもしれませんが、実は至ってシンプルでかける時間ほどすぐに成果が出やすいパートです。

この記事に書いてある通りに、信じてやってみてください。必ず高得点が取れるようになりますよ。

1日の中でしっかりと時間を確保して丁寧にコツコツとやっていきましょう。