対象:英会話初心者~中級者


英語は日本語に比べて、音の上下が激しいですよね。驚いている様子を表現する場合を除けば、日本語は基本的にあまり音の上下がなく平らに聞こえます。

英語らしいリズムで音読ができるようになると、いざ英会話となったときに相手に聞き取ってもらいやすくなり、相手も自分も負担が減ります。

英語のリズムを身につけるにはひたすらシャドーイングで真似するのが早いですし、そうすればほとんどの人が日本語のアクセントは自然と取れますが、いちおう仕組みも理解しておくと良いと思います。

というわけで、英語らしいリズムで音読する方法を見ていきましょう。

※これから英語の特徴を書いていきますが、例外もあり、必ずしもそれが正しいというわけではありません。あくまで傾向だと考えてください。



基本的には下降調

疑問文を除いて、音程は基本的には下降調です。文(もしくは文の中の意味の塊の単位)の初めから最後にかけて音程が徐々に落ちていきます。

日本語の場合は、文の中であまり音程の変化がありません。

「この間あの最近できた居酒屋に友達と行ってきたんだ」

という台詞があったとしましょう。文の初めから最後にかけて音程に大きな変化はなく、タタタタッという感じで読みますよね。

日本語の癖のまま英語を読んでしまうと、かなり平らになってしまい、英語のリズムが生まれません。

日本語で標準語を喋る人は音程が平らなので、少し意識をしたほうがいいと思います。

方言を話す人は音程が文の初めから最後にかけて徐々に下がっていくと思うので、あまり意識しなくてもできるかもしれません。

ぼくの住む愛媛の伊予弁なんかはそうで、関東の人の日本語よりもけっこう力の抜けたような感じで話すので、音もだんだん下がっていきます。

音程の変化(下降調)は地方の方言に少しだけ通ずるところがあります。


※疑問文でもないのに語尾が上がるような話し方もあります。女性に多いイメージがあります。後はオーストラリア英語の特徴でもありますが、多用するとあまり良くないので、とくに女の人は癖にならないようにしましょう。



文の最後の内容語までしっかり読む

音程は基本的には下降していきますが、声の大きさがだんだん小さくなっていくわけではありません。

このへんも日本語と逆です。日本語は竜頭蛇尾ですよね。だんだんと声が小さくなっていき勢いが衰え、文の最後の言葉なんかけっこう曖昧に聞こえると思います。

コンビニ店員の「ありがとうございました~」なんかも、最初の「あ」は強くても、「た~」はかなり弱まっていませんか?

それとは逆で、英語は内容語(動詞や形容詞、副詞など単語一語だけでも意味を持つもの)の一番最後の単語がしっかり強く読まれます。

音程は徐々に下がっていきながら、最後の内容語まではっきり読むという感じです。

When I was little, I used to play in the park with my brother. 

もちろんどこを強調したいかによって一番強く読むところは変わってきますが、これを普通に読めばbrother をしっかり強く読みます。つまり、段々と声が小さくなるわけではない。

この文を日本語風に読むと、brother を読む頃には勢いが弱くなってしまいます。



内容語と機能語で強弱をつける

内容語は、動詞・形容詞・名詞・副詞など、その単語1つだけで意味を持つものです。

その他の単語1つでは意味を持てないものは機能語と言います。

内容語は意味を伝える上で重要な役割を果たすので強く読まれ、機能語はそれ自体では重要でないので弱く読まれます。これにより英語は独特の強弱リズムが生まれます。

このことを理解してたくさんシャドーイングやりピーティングをすれば、英語を話すときに英語らしいリズムで話すことができるようになり、リスニングも少し楽になります。

I was planning to go to the cinema by myself, but my friend called me and invited me out for lunch, so I didn't watch the movie.


これを英語らしいリズムで読むと、


I was planning to go to the cinema by myself, but my friend called me and invited me out for lunch, so I didn't watch the movie.

内容語を強く読むとこんな感じになります。もちろん強調する内容や個人差で強弱の度合いは変わりますが、だいたいこのようになります。

この大きな黒字の単語だけ読んでみてください。それだけで言いたい内容は伝わりますよね。つまり内容語は意味を伝える上でそれだけ重要なんです。なので強く読みます。

そして先程説明した通り、文の最後の内容語のmovie も強く読まれるので、だんだん勢いが消えていく日本語とは異なるのも一目でわかりますよね。

これらのことを理解してるだけで英語は聞きやすくなります。一度スクリプトを見ながらリスニングをしてみてください。この強弱がよくわかると思いますよ。

少し練習をしてみましょう。こちらを読んでみてください。

(1) Fish and chips is a typical British food. 

(2) Do you want a glass of wine?


英語らしく読むと以下のようになります。

(1) Fish and chips is a typical British food.

(2) ※Doyou want a glass of wine?


※Do you はあまり強く読まれないので繋がって聞こえることがあります。片仮名で書けばデューやヂューのようになります。

こういった内容語と機能語での強弱の仕組みを理解した上でたくさんシャドーイングや音読練習をすれば間違いなく英語は上手になります。



喉をリラックスさせて声を出す!

これは強弱やリズムには関係ないのですが、さらに英語らしく聞こえるために大切なことです。

発声位置を口から喉に下げることによって、英語らしい声質になります。発声位置を下げると言うと難しく聞こえますが、要するに喉を響かすように声を出します。

日本でも方言を話す人はなんとなくやり易いはずです。
方言を話す人は、標準語を話す人よりも喉から発声している人が多いので、普段リラックスして話している声質を保って英語を話せばいいですね。

敬語を話すと誰でも標準語に近くなりますが、口のほうで声を出していることに気づきます。声も少しだけ力んでいます。

英語を話すときには、敬語を話すときのように声の出し方を変えてしまうのではなく、普段友達や家族とリラックスして話すときのようなだらんとした声で英語を話すようにすればすごく英語らしい音に近くなるはずです。

意識して喉をリラックスさせて英語を読んだり話したりしていると、自然と声が定着してきます。

特に若い女の人は英語を話すときに自信のなさからか声が甲高くなる人が少なくないですが、ぐっとこらえて声を落ち着けましょう。

英語の喉からの発声や発音についてもっと詳しく知りたい人はこちらをオススメしますので、ぜひしっかり読んで練習してみてください。



著者自身がYouTubeでも本の中の各レッスンについての動画もあげてくれているので、併用して練習するとより身につきます。


この本と動画で一通り練習すると英語の声質で話せるようになります。

実はぼく自身この本を今年の初めに購入し、一通りCD音声と動画を使って練習したところ声がそこそこ英語らしくなった気がします。

あとは前みたいに発音を気にしなくてもなんとなく英語っぽい声が出せるおかげで、話すのが少し楽になりました。この本のおかげか、一日中外国人の友達といても聞き返されることは今ではほぼないです。

普通に日本語を話しているときだと、滑舌が悪いのと訛り?で日本人には頻繁に聞き返されるのに。



この記事のまとめ

英語らしいリズムと抑揚で音読をするには、

・基本的には音程を少しずつ下げながら話す。

・最後の内容語もしっかり強く読む(日本語では最後の単語ほど勢いがなくなる)

・意味を伝える上で重要な内容語をしっかり読み、機能語は適当に読む。


この3つを理解して意識しながら音読練習をすれば、英語らしいリズムで話すことができるようになります。

さらに英語らしく話すためには、英語の発声も意識しましょう。喉をリラックスさせて、力まずに発音するのがコツです。